2013年(平成25年) 3月28日(木)付紙面より
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全国の高校生が合宿形式で最先端の科学の世界を体験する「スプリング・サイエンスキャンプ2013」が26―28日の2泊3日の日程で、鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所で開かれている。細胞のメタボローム解析やコンピューター上の細胞シミュレーションなど、日常では体験できない生命科学の分野を高校生たちが学んだ。
サイエンスキャンプは、科学技術振興機構(本部・東京都、略称・JST)が主催するプログラム。夏休み、冬休み、春休みの各時期に実施されている。最先端の研究施設や実験装置などを備える大学、研究機関、民間企業の研究所を会場に、高校生が研究者・技術者から直接実験や実習の指導を受ける。
今回のスプリングキャンプは全国12カ所で行われ、高校生約160人が参加。ライフサイエンスや情報通信、環境などさまざまな科学技術分野について学んでいる。
このうち慶應大先端研は、2007年3月から7年連続でキャンプの会場となっており、今回は地元庄内を含む県内4人をはじめ、東京や神奈川、石川、兵庫などの各都県から16人の高校生を受け入れた。
初日の26日は先端研バイオラボ棟を会場に、入門編として同大特任講師の柘植謙爾さんなどの指導で実験器具の基本操作を学んだ。「溶液を吸い上げるピペットは、吸い上げる容量で複数のものを使い分けること」などと説明を受け、高校生たちは実際に使用。慣れない器具をうまく扱えず目を白黒させる生徒もいた。
地元の庄内から参加した加藤結さん(16)=酒田西高1年=は「理科の授業で実験をしたことがないので難しい。普段体験できないことを学んで今後に生かしたい」、佐藤夏実さん(16)=鶴岡北高1年=は「内容を理解するのがひと苦労だが、とても楽しい。普段は触れない世界をしっかり勉強したい」と話していた。
高校生たちは、いこいの村庄内に宿泊しながら3日間、バイオラボ棟や先端研センター棟(同市馬場町)で、細胞の代謝物質測定やコンピューター上でのシミュレーションなどを学ぶとともに、座学として生命科学の基礎講座などを聴講する。