2013年(平成25年) 5月8日(水)付紙面より
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酒田市上野曽根の上田診療所(矢島恭一所長)が発行する広報誌「診療所だより」が、今月1日に発行したもので通算300号の節目を迎えた。編集担当スタッフは「楽しみに待っている読者がいる。そのような人たちの気持ちに寄り添いながら、これからも発行していきたい」と話している。
同診療所は1986年10月に開設。患者やその家族と診療所のコミュニケーションを図り、「地区の健康を守る診療所」として広く理解してもらおうと、88年6月に「診療所だより」を創刊。以来、月1回休むことなく発行し、今月1日号で節目を迎えた。
創刊当時から同診療所のスタッフが取材、編集作業を担当。当初はB6判4ページでモノクロだったが、現在はA4判4ページでカラーに。毎号1300部発行し、このうち約1000部を外来・往診患者、矢島所長が理事長を務める医療法人「宏友会」が運営する福祉施設利用者らに配布している。
掲載しているのは、毎月のお知らせ、はやっている病気とその予防法、医療全般から話題になっていることなど。また、日頃の思いを伝える矢島所長によるエッセー、地域内の歴史や文化を紹介する記事もあり、読者からは好評を得ている。
300号はカラー8ページ。矢島所長が「診療所だより」に対する思いをつづったほか、矢島所長と親交が深い「ひまわりクリニックきょうごく」(北海道京極町)の医師、前沢政次さんへのインタビュー記事、診療所に縁のある人たちや発行を楽しみに待っているという患者の笑顔などを載せている。
18年にわたって編集作業に携わっている伊藤美智子さんは「2005年3月から10回シリーズで掲載した、診療所近くを流れる『郷野目堰』の歴史などを紹介した記事が思い出深い。その後、一冊にまとめて発行した」と述懐し、「患者さまや地域の人たちの笑顔が見たく、ずっと続けてくることができた。これからも人と人とのつながりを大事にしながら発行していきたい」と話す。伊藤さんと共に編集を担う大島可奈子さんは「読みやすいレイアウト、楽しめる記事を心掛け、これからも作業に従事していきたい」とそれぞれ話していた。