2013年(平成25年) 11月16日(土)付紙面より
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出羽三山神社の「松の勧進」が15日、お膝元の鶴岡市羽黒町手向地区で始まった。山伏たちの吹き鳴らすほら貝の音が山里に響き、初冬の訪れを告げた。
松の勧進は、大みそかから元旦にかけて羽黒山頂で行われる出羽三山神社最大の祭事「松例祭」の浄財を集める行事。100日間の修行を積み祭りで主役を務める山伏の松聖(まつひじり)2人が、小聖の山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を配る。
今年の松聖は、「位上」が大川重徳さん(66)=手向、山伏名・真岳=、「先途」が今井正元さん(65)=同、悠貴=の2人。9月24日から100日修行に入り、今月13日まで朝夕に勤行を行うなど精進潔斎に励んだ。現在は羽黒山中の斎館にこもり、後半50日間の修行を積んでいる。
この日の朝方は気温がやや低いものの時折晴れ間も見えた。午前8時20分ごろ、小聖を従えた松聖が同神社社務所を出発。小聖たちが吹くほら貝の音が静かな宿坊街に響き渡る中、松聖たちは地区内の本社を、小聖たちは近くの商店や民家を回った。
松の勧進は今月20日ごろまで羽黒と藤島地域の一部を巡る。来月1日からは旧鶴岡市内などを回り、12月いっぱいかけて庄内全域で続けられる。