2014年(平成26年) 5月31日(土)付紙面より
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鶴岡市本町三丁目の田元小路地蔵尊の例祭(6月4日)で、今年も周辺の民家などに地口行灯(じぐちあんどん)が飾られる。ユーモラスな川柳やイラストが描かれており、祭りを盛り上げるとともに“ご近所さん”の絆を深めるのに一役買う。3日から飾られる。
同地蔵尊は禅龍寺(同市新海町)の末寺で、江戸中期ごろまで本堂があったとされる。現在は小さなお堂(地蔵庵)と、地蔵様を祭ったほこらが残されており、「安産地蔵」として親しまれている。
閑静な住宅街の南北約200メートルの田元小路では近年、核家族化などの影響で例祭への参加者が減少。「地域のつながりを取り戻そう」と考えた地元有志が一昨年から例祭への参加呼び掛けに取り組んでいる。地口行灯は祭りを盛り上げようと昨年から設置している。
同地蔵尊の世話人会によると、行灯は同市三和町の佐藤幸治さんが製作。昨年の40個余りからさらに数を増やし63個を用意した。地口行灯はいずれも高さ約30センチ、幅約20センチ、奥行き約10センチ。木材の骨組みに障子紙が張られ、「数珠廻し 人の温もり つぎつぎと」といった地元愛好者の川柳や、小林一茶の「半分は人のあぶらか稲の露」の句などが書かれている。
地蔵尊の講長を務める菅原茂晴さん(78)は「小路周辺の民家や、協賛の個人商店、地元金融機関などに行灯を設置する。祭りを盛り上げるとともに近所付き合い、地域の絆を深めたい」と話している。
例祭当日は午前10時から地域の繁栄や無病息災を願う「数珠回し」が行われる。