2014年(平成26年) 9月3日(水)付紙面より
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鶴岡市大鳥地区の大鳥池で、同池にすむといわれる伝説の巨大魚「タキタロウ」の生息調査が6―8の2泊3日の日程で行われる。同市が推進している、人口減少や高齢化の著しい過疎集落で住民自らが考え地域づくりを実践する集落対策事業の一環として実施。大鳥地域づくり協議会(工藤悦夫会長)が主体となって大鳥地区の貴重な地域資源である「タキタロウ」に光を当て、地区のPRや地域活性化につなげようと開催する。
タキタロウは大鳥池に多く生息しているといわれる体長約2メートルの怪魚。口は三つ口でウサギに似ていて下顎の先が長く伸びて上顎の先に食い込んでいる。尾びれが大きく、体の表面は粘膜が厚くぬめりがあり、茶褐色で斑点がぼやけてはっきりしない。
1982年、以東岳登山に参加した4人が標高1250メートル付近の尾根で大鳥池湖面を泳ぐ複数の巨大魚を目撃。83年に大鳥池調査が行われ、水深約30メートル、水温約5度の所にタキタロウと思われる大型の魚影を確認。85年、3年目の調査で体長約70センチ、体重5・6キロの巨大魚を捕獲し、専門家の鑑定で「アメマス系のニッコウイワナ」「オショロコマに近いエゾイワナ」と結果を得た。アメマスは陸封型と降海型に区分されるが、海へ降りなくてもこの大きさにまで成長できるということで大鳥池の不思議さと謎は一層深まった。
今回の調査は地元住民はじめ、県内外から集まった一般協力者など27歳―71歳までの15人で実施。捕獲はせず、水深、水温、水質の調査や、魚群探知機「エコーサウンダー」による調査を行う。調査の結果がまとまり次第報告会を開く予定。
協議会事務局で83年の調査にも参加した佐藤征勝さんは「この調査が、タキタロウがすめる環境の保持や大鳥地区の地域振興に役立てば」、田口比呂貴さんは「伝説を追い掛ける楽しさがある。調査隊へは県外からの申し込みもあり、タキタロウが広く知られているのはうれしかった」と話していた。
2014年(平成26年) 9月3日(水)付紙面より
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庄内浜の底引き網漁が1日、解禁された。出漁初日のこの日、各漁港へ漁を終えた底引き網漁船が入港し、2カ月ぶりの水揚げに港が活気づいた。
底引き網漁は、袋状の網を海底で引き回して魚を捕る漁法。漁期は9月から翌年の6月いっぱいで、魚の産卵期となる7、8月は資源保護のため禁漁となる。
8隻の底引き網漁船が所属する鶴岡市の由良漁港には午後3時ごろから漁を終えた漁船が次々と入港した。船員や家族、親戚などが協力し、甲板から氷詰めされたイカやカナガシラ、アンコウ、アジ、クチボソカレイ、ヤナギカレイなどの魚箱を下ろした。
県漁協由良総括支所(佐藤晃支所長)で早速、魚の選別と箱詰め作業が行われ関係者は大忙し。作業を進めていた漁業者は「久しぶりの漁で港がにぎわっている。船の燃料費がかかるのが悩みの種だが、今日だけはそれを忘れて喜びたい」と話していた。
また、由良漁港に帰港した規天丸の石塚修船長は「昨夜の午後11時半に出港した。波がなくて順調に解禁初日の漁ができた。クチボソやヤナギ、ソウハチなどカレイ類を中心に捕れたが、例年よりやや少ないかも。今後に期待したい」と話していた。