2016年(平成28年) 5月5日(木)付紙面より
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遊佐町上蕨岡の鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の例大祭(通称・上寺祭り)が3日、境内や参道で繰り広げられた。若衆が引っ張る神の依代(よりしろ)「大御幣(だいおんべい)」が参道を練り歩き、祭り客はその勇壮さに拍手や歓声を送っていた。
300年近い歴史がある伝統の祭り。先端に太陽と月の両神を表す扇を付けた竹製で高さ約4メートル(うるう年は約6メートル)の大御幣を若衆が威勢よく引きながら参道を練り歩いたり、よじ登ったりするなど勇壮さが特徴で、華麗な花笠舞で知られる同神社吹浦口之宮の例大祭(吹浦祭り)と対比される。
この日は午後3時すぎから地区公民館「大鳳館」の玄関先に安置された大御幣の前で獅子舞を奉納。その後、柔らかな日が差し込む中、法被姿の若衆約20人が大御幣の中央付近に綱を結んで引き、大鳥居前までの約250メートル区間を30分ほどかけて練り歩いた。
鳥居到着後、若衆代表が大御幣によじ登って先端付近で万歳をすると、祭りの熱気は最高潮に。行楽客からは拍手と歓声が上がった。さらに若衆たちは本殿前まで大御幣を運んで穴に据え、綱を持ち勢いよく旋回。地区民たちは五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
引き続き境内の神楽殿では、蕨岡延年の舞(県指定無形民俗文化財)が奉納された。
2016年(平成28年) 5月5日(木)付紙面より
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鶴岡市家中新町の汁物と在来野菜を提供する店「荘内藩しるけっちぁーの」で3日夜、料理講座「しるけ塾」が開かれ、同店も含めたアル・ケッチァーノグループを率いる奥田政行シェフが旬を迎えた孟宗(もうそう)のゆで方や新しい孟宗料理を実演。「目からうろこ」の調理法で参加者を楽しませた。
この日は地元をはじめ酒田市や秋田県などから家族連れを含め幅広い年代の約20人が参加。奥田シェフは地物の湯田川と谷定産の孟宗を使い、地質の違いによる扱い方の違いなどについて説明。一般的に米ぬかやトウガラシを入れるとされるゆで方も、岩塩を入れてあくを出し、5分程度ゆでて氷水に引き上げるとほくほくのトウモロコシの味になると実演しながら説明した。
タケノコご飯はだしで炊いたご飯にしょうゆを掛けて味を調える方法や、魚のあらでだしを取ったスープと孟宗のゆで汁を使った澄んだ味わいの孟宗スープなどをその場で調理しながら振る舞った。このうちタケノコご飯は生卵、粉チーズ、サンショウ代わりに山菜「コシアブラ」の葉先を刻んだものを混ぜ、イタリアンに味を変化。参加者は奥田シェフの楽しいトークとともに、化学的な理論にのっとった新しい調理法を熱心にメモを取っていた。
秋田県から訪れた女性2人組は「秋田も孟宗文化があるが、これまではぐつぐつと長くゆでていたので、奥田シェフの調理法は新鮮。おいしかったので家でもやってみたい」と話した。
この日はプライベートで鶴岡を訪れていた都内のイタリア料理の名シェフ、日高良実さんらも会場に顔を出し、参加者を驚かせていた。
しるけ塾は、本紙発行のフリーペーパー「敬天愛人」で隔月掲載(奇数月)している海藤道子シェフのレシピ紹介とともに、食材について理解を深め、料理を学ぶ場として不定期に開催。今回で3回目。