2016年(平成28年) 6月30日(木)付紙面より
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鶴岡市出身で、日本の算数教育の第一人者でもある元筑波大付属小学校教諭、窪田騰(のぼる)さん(83)=東京都=が29日、同市立広瀬小学校(井上東一校長、児童203人)で開校記念の示範授業を行った。窪田さんは「子どもたちに教えることが私の生きがい」と笑顔を見せた。
窪田さんは1932年、満州生まれ。戦後は古里の鶴岡に引き上げ、鶴岡高(現鶴岡南高)、東京教育大(現筑波大)理学部数学科を卒業した。東京都内の公立中学、筑波大付属小に勤務し、94年3月に退職するまで算数教育とその研究に専念。文部省指導書作成や日本数学教育学会研究部幹事などを歴任した。著書に「算数好きになっちゃった」(講談社)など。
田川教育数学研究会の講演会講師として鶴岡に招かれ、2000年から鶴岡市教育研究所の事業で示範授業を開始した。昨年の羽黒三小閉校記念に続き、今回は広瀬小開校記念で授業を行った。
この日、2年生26人に行った授業は「長さの導入」がテーマ。窪田さんが長さの違う5色の紙を使って「それぞれの紙の長さを比べて見て。何色が何色の幾つ分になるかな」と問い掛けると、児童たちは「はい」と元気良く手を挙げ、「赤は黄色3個分」「青は白の3つ分」などと生き生きとした表情で楽しそうに発表していた。窪田さんは「今日こそ本当に最後の授業になるかな」と話していた。