文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2016年(平成28年) 7月2日(土)付紙面より

ツイート

勇壮な松明行列駆け抜ける

 鶴岡市馬町の椙尾神社(宮野直生宮司)で30日、氏子たちが半年間の身の汚れを払う厄よけ行事「水無月の大祓(おおはらい)」が行われた。神輿(みこし)が神社に到着する午後8時ごろ、氏子たちによる勇壮な「松明(たいまつ)行列」が繰り広げられ、沿道の見物客から歓声が上がった。

 かつて庄内浜(鶴岡市宮沢)に社を構えていた同神社が現在地に移った際、地元の崇拝者たちが松明で道を照らしてご神体を迎えたとの言い伝えがあり、これを基に氏子たちの間で伝承されている。

 行事は毎年6月30日に行われ、身の汚れをうつした人形(ヒトガタまたはカタシロ)を集めるため神輿行列が氏子宅を回り、その後宮沢海岸の「潮掛岩」前に祭壇を設けて大祓式を行う。神事の後、集められた人形と麻で作った輪(茅の輪)を沖に流す。式を終えた神輿が神社に到着する日没後、前駆けとして松明行列が神社近くの路上を駆け抜ける。

 午後8時ごろ、子供からお年寄りまで約60人による松明行列が神社近くの下川地区との境付近を出発した。小雨が降ったため松明がしけったり、ぬれた路面で火が消えかけたりといった場面もあったが、菜種で作った松明を肩に担ぎ、または縄でくくって地面を引きずるなどして神社境内までの道のり約300メートルを駆け抜けた。勇壮な姿に見物客が盛んに拍手を送っていた。

 昨年から行列に参加している出羽商工会青年部大山支部の田中正之支部長は「今年は三川町観光協会の協力もあり、自分たちで刈り取った菜種で松明を作ることができた。大山地区には犬祭りや酒蔵まつりの他にも多くの伝統行事がある。これらを広く発信していきたい」と話していた。

炎が上がる松明を氏子たちが抱え歩く姿に、沿道の見物客から歓声が湧いた
炎が上がる松明を氏子たちが抱え歩く姿に、沿道の見物客から歓声が湧いた


2016年(平成28年) 7月2日(土)付紙面より

ツイート

「無私の日本人」著者の磯田さん 公益大講演会で日本人の美徳語る

 庄内がメーンロケ地の松竹映画「殿、利息でござる」の原作「無私の日本人」(文藝春秋刊)の著者で、国際日本文化研究センター准教授の磯田道史さんを招いた講演会が30日、酒田市の東北公益文科大学公益ホールで開かれ、磯田さんは「無私は私がないわけでない。自分と他人の垣根がない、日本人の美徳」と述べた。

 この講演会は、公益大後援会(上野隆一会長)が本年度総会に合わせて企画したもの。講師の磯田さんは1970年、岡山市生まれ。2002年に慶應義塾大大学院文学研究科博士課程を修了した。史料を読み込み、社会経済史的な知見を生かして歴史上の人物の精神を再現する仕事を続けている。今年4月から現職。主な著書に「近世大名家臣団の社会構造」(文春学藝ライブラリー)、第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受けた「天災から日本史を読みなおす」(中公新書)など。NHK・BSプレミアムで放送している「英雄たちの選択」などに出演中。史学博士。

 磯田さんはこの日、「公益をみつめる大切さ―無私の日本人」と題し講演。冒頭、庄内地方に関し「米のおいしい所に悪い人はいない。自分の田舎は悪い人ばかり」と語って会場を沸かせた。そして「江戸期の三大飢饉(ききん)の際、庄内の豪商は『自分が助けなければ東北の人たちが死んでしまう』と、飢えのため他の藩から来た人たちに食料などを提供した。給食の起こりもそう。庄内のきちんとした思想は東北中の手本になっていた。庄内のこの精神は必ず世界で評価される」と語った。

 また、「殿、利息でござる」、自著「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」(新潮新書刊)を基にした松竹映画「武士の家計簿」の撮影エピソードも紹介。集まった650人もの聴衆はユーモアを交えながらの磯田さんの語り口に引き込まれ、熱心に聴講していた。

庄内地方に息づく精神などについて語った磯田さん
庄内地方に息づく精神などについて語った磯田さん



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field