2016年(平成28年) 7月29日(金)付紙面より
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遊佐町の西浜海水浴場に27日、スイカで給水する「給スイカステーション」が開設され、庄内地方のNPO関係者らが熱中症防止のため海水浴客たちにスイカを振る舞い、小まめな給水を呼び掛けた。
庄内地方の環境NPO代表らでつくる実行委員会(実行委員長・小谷卓鶴岡高専名誉教授)が、日本財団の助成で取り組む「海と日本プロジェクトin山形」の一環。本県の豊かな海への関心を高め、未来に伝えていくため11月まで、多彩な事業を展開する。
今回はその第1弾で、海辺の事故を防ぐため「スイカの日」(27日)に合わせ、同プロジェクトに取り組む全国31カ所で一斉に実施した。酒田調理師専門学校のボランティア学生を含め約15人が海水浴客に、尾花沢産のスイカを振る舞い「熱中症にならないように、小まめに給水を」と呼び掛けた。
時折雨が降るあいにくの天気だったが、家族連れなどが「甘い」「おいしい」と喜び、何切れも食べていた。
同海水浴場の遊泳監視を行っている日本ライフセービング協会の深瀬靖彦さんは「仙台などから車で3時間ほどかけてやってきて、気持ちが高ぶったまま休憩も取らず海に入る人がいて、危険。放送やビーチでの巡回指導で小まめな給水を呼び掛けていく」と話した。
プロジェクトでは今後、内陸の親子が庄内海岸を、庄内の親子が内陸の森と川をそれぞれ訪ねる「親子ミステリーツアー」(9月)をはじめ、魚のさばき方を学ぶ「さばける塾」、灯台を軸にしたまちづくりワークショップ「恋する灯台プロジェクト」などにも取り組む。
2016年(平成28年) 7月29日(金)付紙面より
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鶴岡の歴史や文化を学ぶ親子体験プログラム「親子de学ぶin城下町 鶴岡」が27日、鶴岡市羽黒町松ケ岡の本陣で始まった。29日まで3日間の日程で、小学生親子が庄内竿(ざお)作り体験などで先人の知恵と工夫を学んでいる。
地域主導のまちづくりに取り組む「ヤマガタデザイン」(鶴岡市覚岸寺、山中大介代表)が企画。自主性を重んじた藩校「致道館」の教育を倣い、創意工夫でつくり上げる力を学ぶことで未来の人材育成につなげる狙い。
地元の小学生や夏休みで帰国中の親子連れなど18人が参加。初日は本陣を会場に、国の伝統的工芸品である「羽越しな布」の原料であるシナの木を使ったオーナメント作り、心身を鍛える武芸として江戸時代に庄内藩が推奨した釣り文化を象徴する「庄内竿」、御殿まりや姉様人形作りを体験。
このうち庄内竿を継承する常盤敬一さん(70)=青柳町=が講師になった庄内竿作りでは、ニガタケの節を小刀で削り、火であぶって真っすぐに延ばす作業を体験。釣りが大好きで参加したという朝四小4年の鈴木耀君(9)は手つきもよく、“感覚”で教える常盤さんに「修業に来い」と言われる場面も。鈴木君は「自分で釣り竿を作れるなんてすごい。釣りで使ってみたい」と話していた。
2日目の28日は本陣で論語の素読や自然遊び、最終日の29日は酒井家第19代で致道博物館副館長の酒井忠順さんの講話、致道博物館の見学などを行う。