2016年(平成28年) 7月30日(土)付紙面より
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酒田市の「防災ラジオ」の貸与が28日、港南、亀ケ崎両地区を皮切りに始まった。市の緊急一斉放送などが流れると自動的に起動するもので、来月初旬ごろまで、原則として酒田地域(旧市)の全コミュニティ振興会と自治会に無償貸与される。
酒田大火や東日本大震災の教訓を踏まえ、「災害に強いまちづくり」を重点課題に掲げる市が、本年度の新規事業「防災対策強化事業」として実施する。特に津波などは迅速な避難が生死を分けるため、正確な情報をいち早く住民に伝える狙い。
防災ラジオは幅20センチ、高さ10センチ、奥行き7センチの大きさ。コンセントからのアダプターか、電池で動き、通常はAM、FMのラジオが聞ける。ラジオをオフにしていたり、他局の放送を聞いているときでも、市の防災行政無線の緊急一斉放送か、国が発信する全国瞬時警報システム(Jアラート)が流れると、自動的に起動、放送する。
緊急一斉放送、Jアラートとも、酒田エフエム放送(ハーバーラジオ)を通じて放送される。Jアラートでは緊急地震速報や津波警報、弾道ミサイル警報などが流される。
貸与するのは、既に防災行政無線の戸別受信機が全戸に設置されている平田、八幡、松山の旧3町地域と東平田地区の一部を除き、酒田地区の22コミュニティ振興会の会長と事務局長、324自治会長で、役職の重複を除く実人数は約350人。戸別受信機に比べ安価(1台1万円程度)で、市では事業費648万円で500台を購入した。残りについては貸与先を調整している。
28日、港南コミュニティ防災センターには港南、亀ケ崎両地区の自治会長ら約20人が出席。市危機管理課職員から「電池切れには注意」「役職を交代したら引き継いで」など注意事項を聞き、1台ずつ貸与を受けた。
東中の口東部自治会の高山良雄会長は「自治会の危機管理上、とても良いこと。安心につながる。自主防災組織の中で情報伝達の方法などを確認し、有効に活用したい」と話した。