2016年(平成28年) 10月25日(火)付紙面より
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今年で57回目を迎えた遊佐町民俗芸能公演会が23日、同町生涯学習センターホールで開かれ、町内外の民俗芸能が披露された。
遊佐に伝承されている多くの民俗芸能の保存活動を図るとともに、先人から受け継がれてきた伝統文化を多くの町民から認識してもらおうと、町民俗芸能保存会(村上良一会長)と町教育委員会が1960年から毎年、「神やどる 鳥海に響け 伝統の舞」をテーマに掲げ、町芸術祭に参加する形で開いている。
今年は、同町吹浦の「浦通り」と呼ばれる3集落に伝わるアマハゲを含む「遊佐の小正月行事」(国指定重要無形民俗文化財)など、神の使いに扮(ふん)した地域民が家々を訪ねて無病息災を願う8県の8行事を「来訪神・仮面・仮装の神々」という名称で一括し、ユネスコ無形文化遺産に申請したことを記念して開催した。
共にユネスコに申請している秋田県男鹿市のナマハゲ(双六なまはげ保存会)と宮城県登米市の「米川の水かぶり」(水かぶり保存会)、遊佐と「兄弟町」の盟約を結ぶ宮城県大崎市の鬼首神楽保存会の3団体を招待、地元からは6団体が出演した。
ナマハゲの実演では、わらを編んだ「ケラ」と呼ばれるみのをまとい、赤、青の面を着けた2体が登場し、舞台狭しと暴れた後は観客席へ。子どもたちを見つけては「泣ぐ子はいねが」と叫び、手にした模造の包丁をかざしていた。会場を訪れた町民らは伝統芸能が持つ楽しさや力強さ、優雅さなどを存分に味わい、舞が終わるごとに大きな拍手を送っていた。