2016年(平成28年) 12月11日(日)付紙面より
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ビニールハウスの中は別世界―。甘い香りと華やかさで人気のスプレーストックの出荷が最盛期を迎え、ピンクや白の八重の花弁が華やいで出荷の時を待っている。
庄内町では昭和50年代からストックの栽培を始めた。「庄内ピンク」という品種が仙台や山形の市場で好評を得てブランド化。現在は硬い茎と小さな花がたくさんつくのが特長のスタンダードタイプのストックや枝がスプレー状に広がる種類のスプレーストックが栽培されており、地元はもちろん関東、関西、北海道などに出荷。フラワーアレンジメントだけでなくブライダルや仏花などとして使われている。
同町前田野目の生産者、鈴木一志さん(56)方のハウスでは、出荷時期は例年、10月上旬から5月上旬までだが、今年は夏の高温・高日射量の影響で例年より若干遅い10月中旬から出荷がスタート。白、ピンク、淡い紫、ワインレッドと色とりどりのスプレーストックが咲き誇り、甘い香りを漂わせていた。
JA庄内たがわストック専門部の富樫香積専門部長(60)は「みんな一生懸命手を掛けて育てている。特別な日だけでなく、普段使いしてもらえれば。慌ただしい世の中だが、花をめでる時間と余裕を持って潤いある日々を送ってもらいたい」と話していた。