2016年(平成28年) 8月31日(水)付紙面より
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慶應義塾大の学生たちが「生命」をテーマに庄内地方で繰り広げる「庄内セミナー」が29日、鶴岡市馬場町の鶴岡タウンキャンパスで始まった。9月1日まで3泊4日の日程で即身仏拝観や庄内論語素読、修験体験など多角的に学ぶ。
庄内の自然、文化、歴史を体感し幅広い学びにつなげ、自分自身の「生」を見つめ直してもらおうと、同大教養研究センターが2008年度の鶴岡セミナーを前身に庄内地域で開催している。7回目の今回は同大学生25人と大学院生2人の計27人が参加した。
初日の29日は開会行事に続いて、マインドマップ作りに挑戦。学生たちは4、5人ずつ6班に分かれて中央に「生命」と書いた白い紙に、各自が連想する言葉を次々に書き込み周囲に説明しながら考えを深めるもので、「愛があるから生きていける」「対極にあるのは死」「ロボットと生命の違いを考えた」などと自分の考えを周囲に説明しながら活発に議論した。
法学部3年の金久保健さん(21)は「初めての東北、初めての鶴岡での修験体験を楽しみに来た。滝に打たれたり瞑想(めいそう)したりする中で自分の気持ちの変化や新しい気付きを見つけたい」、同学部4年の末永黎諸さん(22)は「修験体験を通して、わざわざ山に入って苦しい修行をする意味や宗教の価値を学びたい」とそれぞれセミナーへの意欲を語った。
この後、30日は大網の注連寺での即身仏拝観、旧藩校致道館での庄内論語素読体験、慶應大先端生命科学研究所バイオラボ棟見学、31日はいでは文化記念館などで修験体験、八朔祭見学、1日はマインドマップ作成と致道博物館や藤沢周平記念館などを自由に見学する予定。
2016年(平成28年) 8月31日(水)付紙面より
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強い台風10号は30日正午すぎから夕方にかけて、東北地方に接近。庄内地方は午前中から風が強く、断続的に雨となった。小中学校の多くは休校措置となり、高校も一部の学校が休校とした。ナシなど果物の収穫期を迎え、農家は風対策の準備に追われた。山形地方気象台によると、庄内全域に30日午前に暴風警報などが出され、31日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は海上で25メートル(35メートル)。
同気象台によると、東北の太平洋側へ直接上陸すれば、1951年の観測統計開始以来、初めてとなる。本県には30日夕から夜の初めごろにかけて台風が最も接近。
台風10号は30日午前10時には福島県いわき市の南東海上を1時間におよそ35キロの速さで北北西へ進み、中心の気圧は965ヘクトパスカル、最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の東側170キロ以内と西側70キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。
庄内教育事務所によると、台風の接近に伴い、30日は鶴岡市、三川町、庄内町の全小中学校と、遊佐町の高瀬小の計53校が臨時休校。酒田市の小中学校34校は午前中の授業を行い午後1時までに一斉下校、遊佐町の残る5小中学校も午後1時半までに一斉下校とした。高校は酒田光陵(酒田市)と庄内総合(庄内町)の2校が短縮授業などとし、羽黒、鶴岡東(鶴岡市)、天真学園、酒田南(酒田市)の4校は休校となった。
台風の接近に伴い、フルーツタウンで知られる鶴岡市櫛引地域では朝から果樹園で支柱を立てたり、ネットをまとめる作業が行われた。現在、収穫のピークを迎えているのは幸水などの和ナシ。同地域常盤木の農業男性(69)は「台風で果実が落ちるのは仕方がないが、ネットが破れてしまうとその後が大変。今回の台風は大きいというので何年かぶりにネットをまとめている」と話していた。