2017年(平成29年) 2月12日(日)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)恒例の「新春かるた会」が10日、鶴岡市羽黒町手向の同神社社務所大広間で開かれ、地元の羽黒一小(佐藤雅秀校長、児童40人)の全校児童が郷土を題材にした伝統のかるた取りを楽しんだ。
1950(昭和25)年から続く伝統のかるた会で、今年で67年目。外遊びが制限される冬季の児童相互の親睦と仲間意識の向上、郷土理解を深めることなどを狙いとしている。
鶴岡市公民館(当時)発行の「荘内郷土かるた」(同23年発行)と、2003年に当時羽黒一小で校長を務めた谷口奈美子さんが制作した「出羽三山かるた」の2種を使用。同神社所有の郷土かるたは学校へ貸し出し、冬休みに町内会ごとに練習してきた。いつもは正月休み明けの1月に開催してきたが、今年はインフルエンザが流行したため延期し、この日となった。
ほら貝の音を響かせながら同神社の巫女(みこ)らが登場し、初めにおはらいをした後、宮野宮司が「地域の伝統や文化に触れる貴重な機会に」とあいさつ。その後、本年度着任した教員やALTの男女3人が山伏姿になって読み札を読み、児童は学年ごとに車座になって競った。
「三山詣でに忘れてくるるな 大日如来に黄金堂」「日本で名高い百姓一揆天保義民江戸へ出る」など郷土の歴史にまつわる内容で、低学年は絵札、高学年は読み札を並べて手を伸ばした。6年生の工藤啓也君(12)は「6年間やっているので楽勝。『蘭学三英むざむざ殺す江戸の奉行がにくらしい』の札が好き」とそらんじていた。
2017年(平成29年) 2月12日(日)付紙面より
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酒蔵のまち、鶴岡市大山地区で11日、恒例の「大山新酒・酒蔵まつり」が行われた。左党にはたまらないイベントで、県内外から大勢の日本酒ファンが詰め掛けた。雪が舞う中、酒蔵の前に行列をつくり、蔵元自慢の新酒を心行くまで楽しんだ。
まつりは「酒どころ大山」のPRとともに地酒の消費拡大、地域振興、交流人口の増加につなげようと、実行委員会(遠藤武委員長)を組織して1996年から行っている。今年で22回目。
地区内にある「羽前白梅」の羽根田酒造、「出羽ノ雪」の渡會本店、「栄光冨士」の冨士酒造、「大山」の加藤嘉八郎酒造の4つの蔵元の寒仕込みの新酒が味わえるとあって人気があり、毎年隣県や関東方面から訪れる人も。4蔵元で新酒が試飲できるメーンの「酒蔵めぐり」のチケットは昨年12月18日の発売日に3000枚が約1時間で売り切れた。
この日は前夜からの雪で町並みに白色が映える風景が広がる中、正午の酒蔵めぐりの開始を前に各蔵元には長蛇の列。入場の前には「ぬる燗(かん)」が振る舞われ、「うまい」と声が上がった。
山形市出身で勤務地が鶴岡市という会社員、岡崎真弥さん(26)は「初めて来た。歴史ある町並みも風情があっていい。大山の酒はあまり飲んだことがなかったが飲みやすく、おいしい」と話していた。
この日は特急「いなほ」や快速「きらきらうえつ」の一部が羽前大山駅に臨時停車。また、鶴岡養護学校の生徒が製作したぐい飲みなどの販売も行われた。