2017年(平成29年) 3月7日(火)付紙面より
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鶴岡市役所内の「鶴岡もっけだのぉ食堂」を運営するスマイリング庄内(平野健太郎代表)は、オール・ケッチァーノ(代表・奥田政行シェフ)と共同で、地元の旬の食材にこだわったオリジナル弁当「鶴けっちぁーの弁当」を開発した。冬の名残と春の訪れを感じさせるオリジナルレシピで見た目も華やか。同食堂で予約を受け付けている。
スマイリング庄内が「鶴岡のお弁当」開発を進めていたところ、平野社長と親交のある奥田シェフから共同開発の申し出が。「お弁当作りの高校生大会で2年連続日本一になったスタッフがいる。ぜひ一緒にやってもらえれば」と推薦されたのはオール・ケッチァーノの料理スタッフ、嶋垣萌恵さん(19)。
三重県出身の嶋垣さんは、料理コンテストの審査委員だった奥田シェフに認められて昨年、オール・ケッチァーノに入社したばかり。庄内の地で初めて扱う食材も多い中、奥田シェフや、鶴岡もっけだのぉ食堂の調理スタッフのアドバイスを受けながらレシピを考案した。商品化まで約2カ月半かけたという。
9区切りの松花堂弁当式で、山・里・海を表現。約40種の食材を使ったという。このうち、寒ダラのクリームコロッケは、奥田シェフのクラムチャウダー風寒鱈(かんだら)汁をイメージしたもので、サクサクの衣にタラの切り身と岩のり、特製ベシャメルソースを包んだ一品。この他、ウルイのおひたしや、雪菜のナムル風、揚げないカツレツご飯など。奥田シェフ考案の「口内調理」も味わうことができる。値段は税込み1600円。
販売初日の3日は同食堂で、生産者や関係者、市職員など合わせて約10人を招待して試食会が開催された。参加者は「きれい」「鶴岡には仕出し文化があるから、喜ばれるかも」「藤沢カブが丸ごと一本なんてぜいたく」などと話しながら味わっていた。
嶋垣さんは「庄内の食の魅力を全部詰め込みたかった。地元の方や観光客などにそうした魅力が伝われば」と話した。
2日前までの事前予約が必要で4個の注文から受け付ける。3月下旬まで限定約300個販売。問い合わせは鶴岡もっけだのぉ食堂(鶴岡市役所内)=電0235(25)2111、内線104=へ。
2017年(平成29年) 3月7日(火)付紙面より
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東京都武蔵野市の若者たちが3―5日の2泊3日の日程で、友好都市である酒田市を訪れ、地元の若者たちとグループワークで両市連携による課題解決・活性化のプランを提案するなど交流を深めた。今後は武蔵野市が交流している全国10市町村の若者が一堂に会する構想も出ており、新たなスタイルの都市間交流に期待が高まっている。
両市の交流は1988年、武蔵野市消防団が酒田市を視察訪問したのをきっかけにスタート。94年には武蔵野市と交流している全国の自治体でつくる同市交流市町村協議会に酒田市が加盟する形で交流が本格化している。
今回は、武蔵野市が同交流市町村協議会の加盟市町村(富山県南砺市、長野県安曇野市、同県川上村、岩手県遠野市など、武蔵野市と酒田市を含め10市町村)にそれぞれ隔年で実施している市民交流ツアーの一環。これまでは観光が中心だったが、参加は年配者が多くマンネリ化の傾向もあったことから、若者同士が交流する企画を試みることになり、今回はその第1弾。武蔵野市在住の39歳以下の参加者を募ったところ、全て20代の大学生9人と社会人3人の計12人が参加した。
一行は3日の深夜バスに乗り込み、4日早朝に酒田に到着。八森温泉ゆりんこでの入浴・朝食、市内観光の後、午後からは市交流ひろばで地元若者たちとのグループワークに臨んだ。地元参加者は東北公益文科大の学生9人と一般4人の13人。これに司会役の酒田市職員が加わり、計30人が5グループに分かれ、両市の「いいところ」「もうちょっとのところ」を挙げた後、両市のコラボレーション(連携)でできる課題解決・活性化を話し合った。
最後は各グループが両市コラボ企画を発表。「武蔵野の子どもや学生が酒田で職業体験を行う」「酒田の人が武蔵野を東京観光の拠点にする」「武蔵野で酒田のラーメンを、酒田で武蔵野のうどんをPR」「武蔵野の5大学の学生が飛島で釣り大会」「武蔵野の商店経営者が酒田に出店し、1年間黒字だと酒田市が報奨金を出す」などユニークなアイデアを発表した。丸山至市長が講評し「いずれも良いアイデア。交流の輪の広がりに期待」と述べた。
武蔵野市の伊藤英穂交流事業担当部長は「最も行政から離れる年代である若者たちにどうアプローチしていくかという意味でも貴重な試み。酒田での評判が良いようなら、他の交流市町村でも実施したい。将来は10市町村の若者が一堂に会する構想も視野にある」と期待を語った。