2017年(平成29年) 5月9日(火)付紙面より
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鶴岡市羽黒町手向の出羽三山神社(宮野直生宮司)の祈年祭が8日、羽黒山頂にある同神社合祭殿で行われた。田作りを模した「御田植神事」や優雅な「田舞」を奉納し、今年の五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
御田植神事は、稲の花が咲きそろうことを願う7月15日の「花祭り」、収穫を祝う11月23日の「新嘗祭」と並ぶ同神社の三大農耕神事。東日本大震災と熊本地震の復興祈願も併せて行われた。
この日は各地から信者が大勢訪れ拝殿を埋めたほか、食文化に関する「フィールドスタディ」として来鶴中のイタリア食科学大の大学院生24人も頭に白い宝冠を巻いて参列。厳かな雰囲気の中、宮野宮司が五穀豊穣を願う祝詞を上げ、引き続き本殿を田に見立てて御田植神事が行われた。
神職が鎌やくわ、すきを手にして草を刈って田を耕す所作を披露し、牛の面を着けて代かきや種をまくなど一連の農耕作業を演じた後、巫女(みこ)たちが加わって雅楽の演奏に合わせて田舞を奉納。苗に見立てた松の枝を受け取った男女10人の舞い手がゆったりとした所作で優雅な舞を披露し、今年一年の豊作を願った。