2017年(平成29年) 5月28日(日)付紙面より
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東京五輪・パラリンピックで東欧・モルドバ共和国のホストタウンに登録されている鶴岡市に26日、同国のバシレ・ブマコフ駐日大使が訪れ、櫛引南小と櫛引中でモルドバを紹介する特別授業を行った。
モルドバは黒海の北西に位置しウクライナとルーマニアに挟まれた国。1991年にロシアから独立した。人口約355万人で、農業が主産業となっており、ブドウ栽培とワイン製造で知られる。
日本の国際協力機構(JICA)を通じて学校施設へのバイオマスペレット暖房の導入を進めており、同市の渡会電気土木(武田啓之社長)がペレット製造プラントの設計・設置を担当。こうした縁で昨年9月にブマコフ大使が鶴岡を訪問し、東京五輪での同国選手の事前合宿受け入れを要請していた。これを受け市は、国が進めるホストタウンにモルドバを申請し登録された。
今回の訪問は市のホストタウン推進事業による市民交流の第1弾で、駐日大使館から大使夫妻や参事官夫妻ら6人が訪れた。櫛引南小(井上賢一校長、児童73人)の特別授業は、ブマコフ大使が4―6年生に、ルドミラ大使夫人らが1―3年生に行った。
児童たちから「櫛引南小学校へようこそ。モルドバのことをたくさん教えてください」と歓迎を受けたブマコフ大使は、国旗に使われている青、黄、赤色の意味や伝統的料理や民族衣装、「こんにちは」「ありがとう」「はい」「いいえ」の母国語などを紹介。児童たちの「日本は好きですか」「日本の食べ物で好きなものは」「街の様子はどんなですか」といった質問に、笑顔で応え、記念撮影の際には児童に囲まれ、抱っこをしてあげるなど触れ合った。
5年生の鈴木来樹君(10)は「大使はとても優しい人だった。モルドバはとてもいい国なんだと思った。いつか行ってみたい」と話した。
この日の夜には約130人が参加して「モルドバ共和国のワインを楽しむ会」が鶴岡市東原町のグランドエル・サンで行われた。ブマコフ大使夫妻を迎え、モルドバ産の白や赤、スパークリングなど7種類のワインと料理を楽しんだ。
ブマコフ大使は「モルドバのワインは、和食をはじめ幅広い料理に合う。これを機会に鶴岡市と末永い交流が続くことを期待したい」と話していた。