2017年(平成29年) 6月8日(木)付紙面より
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ふるさと納税の返礼品の在り方などをめぐり、総務省が返礼品調達額を寄付額の3割以下に抑えることなどを求めた通知に対し、通知対象となった庄内地方の4市町は期限の5日までに、「見直しを検討する」など回答した。
各自治体間で返礼品競争が過熱しているとして総務省は今年4月1日付で各自治体に対し、▽金銭類似性の高いもの(プリペイドカードや商品券など)や資産性の高いもの(貴金属や宝飾、時計、ゴルフ用品など)、高額なものを返礼品としない▽返礼品調達額を寄付額の3割以下にする―など見直しを求める通知書を送付。その後も見直しを行っていない自治体を対象に先月24日付で再通知していた。再通知を受けたのは本県では16市町で、うち庄内地方は酒田市、鶴岡市、三川町、庄内町の4市町。
このうち酒田市は通知で、▽返礼品調達額の割合の目安が5割になっている▽返礼品で資産性の高いもの(プリンター、ゴルフクラブ、時計)がある▽返礼品で高額なものがある(傘福)―の3点について指摘を受けていた。
同市市長公室によると、回答では「資産性の高いものについては6月中に見直すことにした。既にカタログなどでPRしており、事業者への負担が生じないように配慮しつつ、返礼率を3割以下にするなど他の指摘についても国の意向に沿うよう見直しを検討すると回答した」という。
ふるさと納税について丸山至市長は先月30日の定例記者会見の中で「国の通知は真摯(しんし)に受け止め、改善できる点は改善したい」としながらも、「(ふるさと納税は)地域の農産物や物産など、地域経済に及ぼす影響が大きい。地方は人口減少や地域経済の疲弊などで苦労しているが、都会は税金がどんどん投入され環境が良くなり、黙っていても人が集まる。ふるさと納税で都会の税収が減るという1点だけを捉え、5割では多過ぎるといわれるのは納得いかない。国に対し言うべきことは言う必要はある」と、「地方創生」に逆行するような国の通知に疑念をにじませた。同市の2016年度のふるさと納税額は約9億6600万円だった。
16年度に約5億6000万円の納税額があった三川町は1頭分の豚肉、米6俵(計360キロ)が高額返礼品との指摘を受けた。町は「すぐには変更できない。返礼品調達額の割合『3割』が妥当なのかもよく分からないが、見直しを含めて検討する」と話す。
庄内町の納税額は昨年度、約6億600万円。今回、金券類似性があるとして食事券や旅行券、高額返礼品としてテーブルや椅子など手作り家具の指摘を受けた。町の担当者は「食事券、旅行券は返礼品リストから除外する。ただ、家具は職人手作りの一点物。町のものづくりをPRする商品なので継続したい」としている。
昨年度に約6億7600万円の納税があった鶴岡市は、一升瓶2本の新酒セットが高額と指摘された。市は「本年度の返礼品として既に公表している分については継続するが、今後リストアップする商品については調達額3割を目安にしていく」と話している。
2017年(平成29年) 6月8日(木)付紙面より
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海上保安庁による「海洋環境保全推進月間」(6月1―30日)に合わせ、酒田市の浜中小学校(五十嵐良二校長)の4年生8人らが7日、学校近くの浜中海岸で砂浜に漂着したごみの量や種類を調査した。
酒田海上保安部(相澤孝典部長)が海洋環境思想の普及などを目的に2001年から毎年、同校に呼び掛けて実施している調査。この活動や、海開き前に全校児童が参加して行っている海岸清掃などで06年、同校は第2管区海上保安本部から「海上保安協力校」の指定を受けた。
この日は4年生と教職員の他、酒田海保、県庄内総合支庁環境課、市環境衛生課、環境省鳥海南麓自然保護官事務所の職員、民間の海上保安協力員計約30人が参加。波打ち際に10メートル四方の2区画を設け、児童を含め参加者が2つの班に分かれ、それぞれ1区画ずつ分担。海よりの心地よい風が吹く中、20分ほどかけてごみを拾い集めた後、種類や量などのデータを専用の紙に記入した。
作業の途中、2管本部仙台航空基地所属の航空機が周辺を低空で飛び、児童を激励した。参加児童の一人、森優大君(10)は「枯れた枝が多かった。少しずつでもきれいになって良かった」と感想。酒田海保の小野寺宏明警備救難課長は「特に釣りや海水浴といったレジャーで、飲み食いした空き容器は持ち帰ってほしい」と呼び掛け、「海洋環境が悪化しないよう子どもたちによる活動に触発され、大人の意識が変われば」と話した。