文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2017年(平成29年) 6月10日(土)付紙面より

ツイート

すぐ頑丈な建物へ ミサイル発射想定し訓練

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)がミサイル発射実験を繰り返す中、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が9日、酒田市西荒瀬地区で行われた。国、県、市の3者が共同で実施したもので、住民約550人が参加し、防災行政無線などを使った情報伝達や、建物の中に入るなどの各種訓練で有事の対応を確認した。

 国と自治体が共同で行うのは、3月17日の秋田県男鹿市、今月4日の山口県阿武町に続き全国3カ所目。西荒瀬コミュニティ防災センターを拠点に、西荒瀬保育園児や西荒瀬小学校の児童を含め、0歳児から94歳まで住民約550人と、主催機関の関係者ら約60人が参加。そのほか、県内外の自治体や自治会関係者らの参観が約70人、海外メディアを含め報道関係の60人が取材に訪れた。

 想定は「午前10時半ごろ、X国から弾道ミサイルが発射され、わが国に飛来する可能性があると判断した」というもの。国からエム・ネット(国と自治体間を結ぶ緊急情報ネットワーク)を使った県や県内各自治体への情報伝達と、防災行政無線と登録メールによる住民への情報伝達、住民の避難の各訓練が行われた。

 拠点となった西荒瀬コミセン周辺では午前10時33分、けたたましくサイレンが鳴り、「訓練、訓練。ミサイルが発射された模様。頑丈な建物や地下に避難を」などアナウンスされた。近くにいた住民たちは不安げな表情でコミセンに駆け込み、室内では窓から離れるなど危険回避行動を取った。

 避難訓練に参加した同市宮海の無職、小野勉さん(76)は「北朝鮮のミサイルは不安。訓練の効果はよく分からない面もあるが、有事の対応は学べたと思う」、参観した市自治会連合会連絡協議会の阿部建治会長(70)は「避難行動は他の災害に通じる。どんな事態にも対応できるように、自分の身は自分で守る意識を住民に浸透させたい」とそれぞれ話した。

 訓練終了後に西荒瀬小学校体育館で行われた振り返りの会で、丸山至市長は「自分のこととして考える良い機会になったのでは」、内閣官房の伊藤敬内閣参事官は「落ち着いて避難できたと思う。家でも振り返り、対応を考えて」、消防庁の矢口鑑国民保護運用室長は「時間や曜日が違えば対応も変わる。どういう行動をすべきか家族と話して」とそれぞれ述べた。

防災行政無線で「ミサイル発射。避難を」という呼び掛けを受け、西荒瀬コミセンに避難する住民たち=午前10時半すぎ
防災行政無線で「ミサイル発射。避難を」という呼び掛けを受け、西荒瀬コミセンに避難する住民たち=午前10時半すぎ


2017年(平成29年) 6月10日(土)付紙面より

ツイート

江戸期の古絵図や古文書公開

 私設の郷土史料館「庄内酒田古文書館」を主宰する郷土史家、杉原丈夫さん(71)=酒田市みずほ一丁目=が8日まで、「史料(古文書)で探る江戸時代の庄内」展を酒田市飯森山二丁目の南洲会館で開き、自身で集めた貴重な江戸期の古絵図や古文書を公開した。

 杉原さんは元小学校教員で、定年退職後は酒田市立光丘文庫の古典籍調査員を務めた。昨春の同調査員退職を機に、それまで集めた約1万1000点による古文書館を自宅に開設するとともに、同市や鶴岡市で古文書入門教室を開き、地元の古文書をテキストに解読方法を指導しながら、郷土史を研究している。

 今回は「公的施設では一般人が現物を手にすることは難しい。興味のある人に、現物に触れてもらいたい」と先月28日―今月8日、杉原さんが集めた江戸期の絵図15点と古文書、合わせて約100点を公開した。

 このうち天保5(1834)年ごろの鶴ケ岡城下の絵図は、家中の屋敷が下級武士に至るまで名前入りで描かれ、貴重という。また、秋田県の由利地方の絵図には、文化元(1804)年の象潟地震で隆起した象潟湾が描かれ、地震以前のものであることがうかがえる。同じ頃の酒田市の宮野浦から浜中まで海岸沿いを描いた畳6枚分の絵図は、植林を始めるに当たり土地を調査したもので、浜中集落から放射状にたくさんの道が伸び、多くの人が魚や塩の売買で往来し栄えた歴史の一端を伝えているという。

 杉原さんは「地元の貴重な史料の多くが外部に流出している。地元の史料は地元住民が守り、地元の歴史を学ぶために生かしてこそ、価値がある。今後も年1、2回、こうした展示会を開き、多くの人に興味を持ってもらいたい」と話した。

 杉原さんの酒田での古文書入門教室は毎月第2、第4金曜日の午後1時半から、市港南コミュニティ防災センターで開いている。会費は月1000円(ほかに資料代は実費)。問い合わせは杉原さん=電0234(23)4163=へ。

南洲会館で、自身が集めた江戸期の庄内地方の絵図を解説する杉原さん
南洲会館で、自身が集めた江戸期の庄内地方の絵図を解説する杉原さん



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field