2017年(平成29年) 8月24日(木)付紙面より
ツイート
強毒を持つ「ヒアリ」の侵入を水際で防ごうと、環境省と国土交通省共同によるモニタリング(監視用)トラップ設置作業が22日、酒田市高砂の酒田港国際ターミナルで行われ、関係者が輸入コンテナ置き場周辺などに150個のトラップを設置した。
6月以降、全国の港湾でヒアリが見つかっていることを受け、両省が中国、台湾などとの定期コンテナ航路を持つ全国68港を対象に実施。東北地方の対象は酒田港を含む7港で、今月から10月まで月1回、計3回実施する。
この日は環境省東北地方環境事務所や国交省酒田港湾事務所、県港湾事務所の職員、作業員ら計約10人が参加。酒田港国際ターミナルの輸入コンテナ置き場を中心に、砂がたまりやすいガントリークレーンのレール周辺、輸出コンテナや空コンテナ置き場を含め、ターミナル全域にトラップを仕掛けた。
トラップは名刺大の箱状で、内部の餌でアリを誘い、粘着剤で捕らえるもの。試験を兼ね、形状の異なる2種が用意され、クレーンのレール周辺には作業員が10メートル間隔で次々に設置していった。
環境省東北地方環境事務所野生生物課の西野雄一課長補佐は「ヒアリはこれまで外国からのコンテナ周辺で多く見つかっており、水際で侵入を防ぐ対策として、その周辺でモニタリングすることは重要。今後も国交省や県と連携して取り組む」と話した。
3日後の25日に回収し、ヒアリの有無を確認する。9月と10月にも同様の規模で実施予定。
同ターミナルでは県港湾事務所も7月15日から輸入コンテナ置き場を中心にトラップ15個を置き、モニタリングしている。両省が実施中は重複を避け、県は設置しないという。