2017年(平成29年) 9月5日(火)付紙面より
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大規模地震発生を想定した県と酒田市合同による総合防災訓練が3日、同市の光ケ丘陸上競技場周辺を主会場に開かれ、同市の第一中学校区の住民ら約5000人が救助や消火、医療救護、避難所運営など多面的な訓練に取り組み、有事の対応を確認した。
広く県民の防災意識を高めようと県が毎年この時期、県内各地で回り持ちで開催している訓練。今年は酒田市の第一中学区の各自治会自主防災組織を中心に、県と同市、酒田警察署、酒田地区広域行政組合消防本部、陸上自衛隊第6師団、電気やガス、水道、通信といったライフライン事業者など計74団体から約5000人が参加した。
災害の想定は「酒田市西方沖の海底を震源とするマグニチュード7・8と推測される地震が発生し、酒田市では震度6強を観測。津波も発生した」というもの。各自治会は松陵学区コミュニティ防災センターに住民を避難誘導するとともに、競技場内への現地災害対策本部の設置や情報収集、倒壊建物・車両からの被災者救出、県ドクターヘリを使用した医療救護、ライフライン復旧など、災害時に想定される被害や課題に沿った訓練を次々に繰り広げた。
訓練を視察した吉村美栄子知事は「時宜を得た訓練。各機関による専門的なものに加え、救出訓練など住民相互に助け合うものもあって心強く思った」と話した。