2017年(平成29年) 9月26日(火)付紙面より
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西郷隆盛(南洲翁、1828―77年)のひ孫でスターライト工業(本社・大阪市)社長の西郷隆晄さん(71)と玄孫(やしゃご)で隆晄さんの次男・津田直さん(41)が23日、南洲翁と深く親交を結んだ庄内藩重臣・菅実秀(菅翁、1830―1903年)の生家(鶴岡市家中新町)を訪問し、菅秀二さん(71)と交流した。
隆晄さんは南洲神社例大祭(23日)への参加を機に初めて来庄。隆晄さんの長男・隆志さんと直さんが同行。22―24の3日間滞在し、鶴岡市の松ケ岡や致道館などを訪れた。
菅翁は戊辰戦争の敗戦処理に手腕を発揮。この時西郷翁の厚遇で藩の危機が救われたことを知り、以後西郷翁に師事。西南戦争後に「南洲翁遺訓」を刊行した。鶴岡と鹿児島の両市は西郷翁との「徳の交わり」を縁に1969年に兄弟都市の盟約を締結している。
23日の訪問では南洲翁遺訓が制作された部屋や南洲翁揮毫(きごう)の書などを見学。隆晄さんと菅さんが「徳の交わり像」を再現するかのように書の前に座り、南洲翁の人柄や人徳、鶴岡と鹿児島両市の歴史的なつながりを振り返った。隆晄さんは「西郷翁の書などが大切に保管されていることに驚いた。庄内へは初めて来たがずっとつながっていたから古里に来たようだ」、直さんは「菅翁の家でお会いできたことが何よりもうれしい。ここに来て隆盛の繊細さと強さを改めて感じた」とそれぞれ話した。
菅さんは「西郷翁が与えてくれた非常に貴重な機会。西郷翁との再会が遂げられたようだ」と感激の面持ちで話していた。