2017年(平成29年) 10月11日(水)付紙面より
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鶴岡市西目の荒倉神社(佐藤敬幸宮司)の創祀1300年式年大祭が9日、同神社などで行われた。東に位置する羽黒山に対し、かつては「西羽黒」と呼ばれ、信仰を集めた歴史ある神社の節目を祝った。
同神社は荒倉山(標高約280メートル)の標高約200メートルに鎮座。祭神は保食大神(うけもちのおおかみ)、大宜津比売神(おおげつひめのかみ)の2柱。同神社縁起によると717年の創祀・本殿建立とされ、平安期には修験信仰の聖地として参籠者が訪れたという。中世では庄内を治めた戦国武将の武藤氏や最上氏といった領主の崇敬も得た。その後上杉領へと移ると、上杉氏の検地に反対した1591年の一揆の一端に加わったとして本社や領内にあった33の宿坊は破壊、領有地も没収されたが、1601年に再び最上領となり再興が図られた。2015年には130余年前に建立した旧拝殿を全面改修、参道も新設整備。現在、氏子は西目や油戸、上郷などに約150戸という。
この日拝殿で行われた式年大祭の祭典では地元の氏子や総代、出羽三山神社関係者など合わせて約40人が参列。ほら貝の音で祭典が始まると荒倉獅子舞を奉納。各種神事を行い、出羽三山神社の倭舞「松の祝ひ」を奏楽、荒倉神社総代や、出羽三山神社の宮野直生宮司らが玉串をささげた。諏訪一男総代代表は「1300年の歴史を紡いできた諸先輩の思いを重く受け止め、次の代へ受け継いでいきたい」と話した。
またこの日は、同神社宝物殿に安置されている石造聖観音像(県指定有形文化財)を初めてご開帳。鎌倉後期から室町前期の作とされ、「荒倉大権現」の盛時をしのばせる唯一の宝物となっている。明治の廃仏毀釈から逃れるため30余年間ほど土中に埋蔵されていたという。神社での祭典、直会の後は、ベルナール鶴岡へ会場を移し、式典と祝賀会を開いた。
2017年(平成29年) 10月11日(水)付紙面より
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地元で水揚げされた旬の鮮魚を格安で販売する「由良港大漁祭」が8日、鶴岡市の県漁協由良総括支所で開かれ、多くの家族連れなどでにぎわった。
魚種が豊富で新鮮な地元の魚をPRし、魚食文化の普及を図ることを目的に、加茂、由良、堅苔沢などの底引き網漁の船長などで組織する鶴岡北地区底曳(そこびき)船頭会(志田正会長)の主催で2009年から毎年開いている。
晴天に恵まれたこの日、大漁旗がはためく会場には、午前10時半ごろの鮮魚販売開始に合わせて大勢の行楽客が来場。前日水揚げされたばかりのタイ類やカレイ類、ヒラメ、ハタハタ、ズワイガニなどが格安の「飛び値」で販売された。このほか、カニ汁やアンコウ汁、クロヌタウナギ(ボウアナゴ)などの焼き魚、サザエのつぼ焼きなどの海の幸も販売された。
山形市から家族で訪れた佐藤航太君(8)=山形市立第九小3年=は、由良出身の父親の篤さん(40)と2人で県漁業監視調査船「月峯」に乗船体験。「酔いやすいんだけど楽しかった。かじも触ったよ」と話していた。
今回は、鶴岡の食文化体験プログラムで市が受け入れている昭和女子大(東京都世田谷区)の学生も参加し、準備に協力した。