2017年(平成29年) 10月20日(金)付紙面より
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庄内の飲食店で行われる「庄内おばこサワラキャンペーン」(27日―12月3日)を前に18日、鶴岡市の由良コミュニティセンターで参加店向け調理講習会が開かれ、関係者らが庄内おばこサワラの特性や取り扱いについて学んだ。
庄内おばこサワラははえ縄で漁獲し、サワラが暴れ傷つくことのないように船上生け締め、神経締めを施したサワラ。刺し身で食べられる高鮮度を1週間以上維持することができ、熟成により上品なうま味を楽しむことができる。キャンペーンは関東方面へ出荷され地元でなじみが薄いことを受け、周知を図り地元の人に価値を知ってもらおうと実施。庄内一円の飲食店20店が参加し、熟成技法を取り入れた庄内おばこサワラを使ったメニューを提供しおいしさをPRする。
この日は飲食店の料理人や関係者20人余りが参加。初めに水産試験場の専門研究員が「科学的観点から見た庄内おばこサワラの特性について」と題して話題提供。鮮度保持技術の効果や熟成の注意点を学んだ。調理実演では旅館仁三郎の土田常雄料理長と加茂水族館沖海月の須田剛史料理長が講師を務め、「なるべく水を使わないで熟成させる。頭や内臓を取り、水で洗った後はタオルで拭いて」「熟成の際は雑菌が繁殖しないよう1―2度くらいの身が凍らない低い温度で」などと取り扱いについて注意点を説明した。参加者たちは熱心に聞き、実際に2日と10日熟成させた庄内おばこサワラをあぶりで試食した。
庄内おばこサワラブランド推進協議会の鈴木重作会長(63)は「地域振興の一助になれば。多くの人に価値を知ってもらいたい」とキャンペーンに期待を高める。鶴岡市の情緒食酒「炙茶家」の川邊葉子店長(33)は「お刺し身メーンで提供したい。県外の人も多く来るので一人でも多くの人においしさを広めたい」と話していた。