2017年(平成29年) 10月27日(金)付紙面より
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北前船などの縁がある北海道江差町の民謡愛好者たちが25日、酒田市を訪れ、南洲神社(飯森山二丁目)や山居倉庫(山居町一丁目)などを巡り、歴史的な絆を確認した。
訪れたのは民謡「江差追分」やその元歌といわれる「江差三下り」の愛好者でつくる「江差三下り会」(会長・照井誉之介江差町長)の13人。江差追分は信州の馬子唄が北前船を通じて伝わったとされ、昭和初期に本県で創作された「最上川舟唄」の元歌の一つ「酒田追分」もルーツが同じといわれている。
そうした縁から江差三下り会は、同町出身で酒田市観光ガイド協会メンバーの豊岡紘子さん(同市緑町)の紹介で2013年から、大江町で開かれている「正調最上川舟唄全国大会」に参加。昨年8月には、酒田市を拠点に西郷隆盛(南洲)の教えの普及を図っている荘内南洲会が戊辰戦争をテーマにした研修で、同10月には大江町の正調最上川舟歌保存会もそれぞれ江差町を訪れるなど、北前船や戊辰戦争をキーワードにした交流が深まっている。
今回は、お互いの歴史や文化を知り、さらに交流を深めようと、24日に大江町の観光と最上川舟唄保存会との交流、25日に酒田市の観光に訪れた。大江町がバスを提供し、同町関係者3人と豊岡さんも随行した。
南洲会館では、荘内南洲会の水野貞吉理事長が昨夏に江差町を訪れた際、照井町長のあいさつなど歓待を受けたことに感謝。さらに「庄内藩が戊辰戦争で降伏した際、南洲が寛大な処分を指示した。それを知った藩主らが薩摩に行って南洲に学び、その教えを南洲翁遺訓にまとめ、全国に配った」など、庄内で南洲を慕っている理由を解説した。
江差三下り会メンバーの小田島訓さんは「なぜここで西郷さんなのか、よく分かった。これからも人の交流が広がり、経済的な交流などに発展すればうれしい」、豊岡さんは「大江町が酒田観光のためバスを回してくれたことにも感謝。同町や江差町など、北前船を通じた絆がこれからも深まればうれしい」と話した。
一行はその後、山居倉庫や本間家旧本邸、山王くらぶ、海向寺、日和山公園を見学し、同市に1泊。翌26日にJRで帰途に就いた。
2017年(平成29年) 10月27日(金)付紙面より
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羽黒高校(牧静雄校長)の吹奏楽部が、29日(日)に東京都・文京シビックホールで行われる「第23回日本管楽合奏コンテスト」(日本音楽教育文化振興会主催)に出場する。同部は3年連続の出場。部員たちは「全国で(最高賞の)最優秀を目指したい」と意気込みを話している。
同コンテストの予選審査は非公開で行われ、演奏を録音したCDなどの音源で審査。“夏の大会”といわれる全日本吹奏楽コンクール後の3年生が引退した新編成で挑む大会となり、1、2年生40人に加え、13人の3年生に協力してもらいながら夏の大会と同じ選曲で新たな曲づくりに取り組んできた。
同部が出場するのは、36人以上の高校B部門。庄内町の響ホールで録音し、予選審査に応募。9月末にインターネット上で結果が公表されたのを部員全員で確認。県内から出場するのは東海大山形と2校。
演奏するのは、1958年に作曲された吹奏楽の名曲とされる「矢代秋雄の交響曲より」。変拍子や主旋律とバックのメロディーの符割りが難しい緊迫感のある曲。パートごとの音合わせから同じメロディーの楽器と合わせるなど地道な練習を重ねてきた。
部長の阿部英里香さん(2年)は「まさか3年連続で出場できると思っていなかったのでうれしい。部員の意思統一をしながら演奏しがいのある曲。全員で最優秀を目指したい」、副部長の渡部瑞稀さん(同)は「勝ちにいく演奏で、これが羽黒高だというインパクトを残して帰ってきたい」と話す。指導する牧伸一顧問は「高校生らしい変化で仕上がりはいい。この調子で本番を迎えたい」と話している。
同部は28日(土)朝に高校のバスで出発し、29日の本番を迎える。