2017年(平成29年) 11月26日(日)付紙面より
ツイート
酒田光陵高校(鈴木和仁校長)で24日、1年生と地元企業との交流会が開かれ、質疑応答で企業の特色や求められる人間像などを学んだ。
県庄内総合支庁が2014年度から、地元企業の魅力を高校生に伝え、地元定着促進につなげようと実施。今回は庄内地方の40社の人事担当者ら74人が同校を訪問。全1年生347人が4―10人の40グループに分かれ、各教室に設けられた企業のブースを5カ所ずつ回り説明を聞いた。
重粒子線治療などに使われる加速器用の磁石などを作っているユーテック(酒田市)は「ものづくり以前に人づくりを大事にしている。加速器用磁石を作っているのは国内で数社だけ」、LED(発光ダイオード)を製作しているスタンレー鶴岡製作所(鶴岡市)は「自動車やバイク、防犯灯などさまざまな分野で使われている。向上心、向学心に満ちた人を大切にしたい」などと説明した。
生徒たちは「自分から話し掛けるのが苦手で、人間関係に不安があるが…」「楽しく仕事をする環境づくりは?」など質問。企業側は「同期の交流が盛んで、あいさつを大切にしていれば、自然と周囲に溶け込める」「毎日違う仕事をするので、新鮮だと思う」などと答えた。
ともに工業科の戸川安紋さん(15)は「会社では社員を大切にすると感じた。友人と過ごす時間を大切にできる会社に就職したい」、池田歩生さん(15)は「働くことはあまり意識していなかったが、今日の会で、自分ももうすぐ働くのだと実感した」と話した。
県庄内総合支庁地域産業経済課では「庄内は求人倍率が高いのに若者の定着率が低いため、人手不足感が他地域に比べて深刻。人手が確保できないため受注を断る企業も出ており、今回のような機会を通じ、少しでも地元就職を増やしたい」と話した。交流会は来月18日、鶴岡工業高でも実施する。