2017年(平成29年) 11月28日(火)付紙面より
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やまがたゆきみらい推進機構(事務局・県村山総合支庁北村山総務課)、山形大学、東北公益文科大学が主催した「雪サロンin庄内」が25日、酒田市の公益大学内で開かれ、参加者が事例報告などを通して高齢化社会における除雪ボランティアの拡大策を考察した。
同推進機構は2007年に設立。▽克雪(克雪住宅や融雪設備の普及)▽ボランティア(除雪ボランティア活動拡大)▽利雪(雪氷熱エネルギーの利用)―の3部会があり、降雪がもたらす県民生活への影響を軽減しようと、賛同する産学官民の持っているノウハウを生かした事業を展開している。
今回のサロンは、高齢者世帯の安全・安心な冬季生活に大きく寄与している除雪ボランティアの拡大を目指し、地域間連携で互いに助け合う体制の構築を図ろうと、山形大COC+推進室と公益大庄内オフィスとともに企画。県と市町、両大学、社会福祉協議会、ボランティア団体から計約30人が参加した。
サロンでは、推進機構運営幹事長・ボランティア部会長を務める東山禎夫山大名誉教授の司会で4機関の代表が事例報告。有志を広く募り、酒田市日向地区で実施している「日向ささえあい除雪ボランティア」の活動主体・日向コミュニティ振興会の工藤志保さんは、「過疎化と高齢化の進展で、地域住民だけでは十分な除雪作業が困難。2012年から冬に2回、『ささえあい除雪ボランティア』を実施している」と、その目的を話した。持続するための課題として▽地元リーダーの確保▽一斉除雪で水路が詰まる▽必要な日時に実施できるボランティアの確立―などを挙げ、「『ささえあいから花開く日向』をテーマにこれからも継続したい」と語った。
引き続き、作業時の安全対策の一環として日向コミ振と共に地区内を流れる水路・流雪溝マップを製作している、いずれも公益大3年の八木絵莉香さん、佐藤直人さんの2人が経緯などを紹介。「水路・流雪溝への転落防止が目的。ふたのない水路を破線、ある箇所を実線で表記した。死亡事故発生箇所、事故発生箇所、危険箇所で色分けしているほか、これまでの聞き取りで得た情報を盛り込んでいる」と話し、「降雪時に再度調査を行い、情報を追加したい。危険箇所に近づくとアラームが鳴る機能についても研究を進める」と述べた。