2017年(平成29年) 12月14日(木)付紙面より
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北朝鮮からとみられる木造船や遺体の漂着が相次いでいる問題で、県内関係機関による緊急の連絡調整会議が12日、三川町の県庄内総合支庁で開かれた。関係機関が情報を共有して連携を密にしていくとともに、不審船や不審者が漂着した場合の初動対応、住民や漁業者への注意喚起の方法などを盛り込んだ対応マニュアルを年内に作成し、運用を開始することを確認した。
会議は県が主催し、入国管理や税関など国の機関、庄内浜沿岸の鶴岡、酒田、遊佐の3市町、県警、酒田海上保安部、県漁協、消防などから担当者約30人が出席。佐藤仁喜弥県危機管理監が「地域住民や漁業者に不安、懸念が広がっている。住民の不安を払拭(ふっしょく)するためにも、関係機関が情報を共有し連絡体制をきちんと整え、円滑に対応する体制を構築したい」とあいさつした。
協議では、海上で漂流する船の破片が危険なため、目印となるブイを設置してほしいといった漁業者の要望が報告されたほか、漂着した船に生存者がいた場合について、「感染症予防、通訳の対応もある。救急搬送とともに、どの医療機関に搬送するかを定めておくべき」と指摘があった。また、遺体の漂着が相次いでいる鶴岡市の担当者は、遺体を火葬した後の遺骨について、「朝鮮赤十字から返還依頼があった場合を念頭に、統一した対応を示してほしい」と要望した。
県は近く、沿岸部の住民向けに、木造船などを見つけたときの注意点や通報先をまとめたチラシを配るなどして、注意喚起を徹底することにしている。