2018年(平成30年) 1月24日(水)付紙面より
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古文書になじみのない人、これから学んでみたいという人にその「楽しさ」を伝える企画展「知ればこんなにおもしろい こもんじょ入門!」開催中の本間美術館(酒田市御成町、田中章夫館長)で21日、「庄内酒田古文書館」を同市みずほ一丁目の自宅内に開設する庄内史研究家、杉原丈夫さんを招いたギャラリートークが行われ、古文書の楽しさを伝えた。
杉原さんは38年間にわたり教職に就き、退職後は同市光丘文庫に勤務。2016年3月末まで10年間、古典籍調査員として活躍した。教職退職後に山形大大学院社会文化システム研究科で学びを深め、修士課程を修了。古文書館ではこれまで収集した古文書や古絵図など約1万点を紹介している。
この日は市民ら約40人が参加し、杉原さんが展示されている古文書を解説。徳川家康が出羽侍従(最上義光)に宛てた書状(本間美術館蔵)では、杉原さんは「家康にとって義光は自分の家来で、身分は下。『家康』の署名に比べ、『出羽侍従殿』の位置が中途半端なのが分かる」「『恐々謹言』は締めの言葉としてよく用いられる」などと紹介した。
「こもんじょ入門」では、文字や内容、書き方、紙の形などさまざまな鑑賞ポイントを解説しながら、本間美術館蔵品を中心に計31点を紹介している。特別展示として「庄内藩主酒井家と米沢藩主上杉家の美術工芸品」もある。いずれも会期は2月19日(月)まで。