2018年(平成30年) 2月2日(金)付紙面より
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鶴岡市と戦略的連携協定を結ぶイタリア食科学大の学生が食文化を学ぶ「鶴岡フィールドスタディプログラム」が2日まで4泊5日の日程で鶴岡をフィールドに行われ、学部生15人が食や作法など日本文化を学んでいる。学部生たちは出羽三山の里である鶴岡で学んだ後、伊勢神宮のある三重県も訪れ、国内での食の比較や信仰に根差した食文化の違いなどに理解を深める。
鶴岡市が国内で唯一のユネスコの食文化創造都市に認定されていることを縁に、2016年12月に食科学大と3カ年にわたる協定を締結。同大の学生が研修として鶴岡を訪れ、歴史や食文化、酒や在来作物といった分野にも理解を深めている。
今回も鶴岡フィールドスタディとして、日本酒や懐石料理、修験道に基づく精進料理などを学ぶ内容を企画。世界80カ国から学生が集まり食文化を学ぶ食科学大の2年生でイタリア、イスラエル、スイスの3カ国出身の男女学生15人が参加。29日に来日し、30日朝に東京・築地市場で競りを見学した後、空路で庄内入り。同日夜は湯田川温泉で日本酒や米のレクチャーを受けた。
2日目の31日は、県栽培漁業センターで栽培漁業について聞いた後、鶴岡市立加茂水族館で同水族館併設のレストランの須田剛史料理長が包丁技術の実演。フグの刺し身で鶴を作る技などを披露した。引き続き、あつみ温泉の旅館「たちばなや」に移動し、茶道体験。茶道裏千家淡交会参与の成澤英子さん(80)らを講師に迎え、茶席のお点前を受けた。
緋毛氈(ひもうせん)が敷かれた会場で成澤さんは掛け軸やお香、季節の花などを紹介しながら、「ゲストを敬う」といった茶道の心得を紹介。練り切りをいただいた後にお茶を味わい、自分たちでお茶をたてる経験もした。
スイス出身のジェンナ・マッティシュさん(27)は「日本は初めて。北の羽黒と南の伊勢の文化の違いを見てみたい。伝統的な食事や作法の一つ一つの意味や神社やお寺に働く人たちにも興味がある」と話していた。
一行は1日に出羽三山神社を正式参拝し、精進料理のレクチャー。2日は春日神社で黒川能を見学するなどし、3日に伊勢へ移動する。