2018年(平成30年) 2月10日(土)付紙面より
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東北振興研修所(田中茂雄理事長)主催の新春懇談会が8日、鶴岡市中央公民館で開かれ、幕末の庄内藩の重鎮、菅実秀(1830―1903年)の玄孫(やしゃご)で菅家13代の菅秀二さん(72)=鶴岡市=が「幕末から明治にかけての庄内藩」と題し、「徳の交わり」と称される西郷隆盛と実秀の関わりなどを話した。
同研修所ときらやか銀行の共催で毎年この時期に開催。この日は地元企業関係や一般など約80人が聴講した。
菅さんは奥羽越では庄内で始まり、庄内で終わったとされる戊辰戦争の経緯などを解説しながら、1868(明治元)年9月26日の庄内藩が降伏した際に、3日間駐留した新政府軍約1万5000人と庄内藩士の間で小競り合いもなかったことなどを紹介。「連戦連勝で厳しい処分を覚悟していた庄内藩と西郷さんの交流のきっかけ」とした。
廃藩置県の実施のため江戸に呼び戻された西郷と実秀が71(同4)年4月に初めて面会し、9月まで半年にわたり交流したことについて、「人はいかに生きるかということを説いた西郷と、福利国家の建設を理想とした実秀が根の深いところで結び付いたのが『徳の交わり』。後に編集される南洲翁遺訓はこの半年の間に聞いたことが半分以上の内容となっている」と話した。