2018年(平成30年) 2月11日(日)付紙面より
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鶴岡市教育委員会が主催した「中高一貫教育シンポジウム」が9日、市中央公民館で開かれた。2024年度までに鶴岡南高と鶴岡北高を統合して県立中学校を併設した「庄内中高一貫校」(仮称)を新設する県教育委員会の県立高校再編整備計画案について、参加者からは賛否とともに、高校再編と中高一貫校の開設は切り離して考えるべきだなどさまざまな意見、要望が出された。
教育関係者や保護者、市民ら約130人が参加した。県教委が田川地区の県立高校再編整備計画、鶴岡市教委が中高一貫校の設置要望について内容や経過を説明。16年度に東根市に開校した県立中高一貫校「東桜学館」の官宏校長が、1学年3クラス99人の中学には、新庄市から高畠町まで幅広いエリアの40小学校から入学者があるなど同校の状況や教育内容を紹介した。
参加者からは、「130年、120年の歴史を持つ地域の伝統校をなくすべきでない。高校進学の選択肢が狭くなる」「少子化の中、少人数で特色ある高校をつくることも考えるべき」「中高一貫校は鶴岡中央高に設置するのが良いのでは」「受験の低年齢化、競争激化、市立中学校に与える影響もしっかりと考えて」など多様な意見があった。
県高校改革推進室の須貝英彦室長は「歴史ある伝統校を大事にしたい気持ちは十分に分かる。急激な中学校卒業者数の減少で、このままでは地区の基幹校でさえも規模が小さくなり弱くなる。子どもたちの教育を考えると、それでいいのかという課題がある」と高校再編に理解を求めた。その上で、中高一貫校開設には「6年間を通じて生徒のさまざまな面の可能性を伸ばす教育を行い、庄内地域にも選択の幅を広げたい。地元説明会やパブリックコメントには肯定的な意見も多くある」などと説明した。
参加者からは「教育や行政関係者だけでなく、子どもたちや保護者の意見をしっかりと聞いてほしい」といった要望も出された。