2018年(平成30年) 2月16日(金)付紙面より
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酒田市など7道県の11市町で日本遺産に認定された北前船寄港地について、新たに14道府県の27市町が認定の追加申請をした。構成自治体は全国の計15道府県の38市町に及び、北前船をキーワードにした日本遺産がさらに拡大する見込みとなっている。
酒田市が中心となり北海道函館市、秋田市、新潟市、福井県敦賀市など11市町で申請した「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間―北前船寄港地・船主集落」は、昨年4月に日本遺産に認定された。関係自治体は昨年5月「北前船日本遺産推進協議会」を設立し、自治体間の連携事業や追加申請について協議してきた。
追加申請したのは北海道小樽市や秋田県能代市、由利本荘市、新潟県佐渡市、上越市、鳥取市、大阪市、神戸市、広島県尾道市、岡山県倉敷市など。酒田を起点に北海道から北陸までの日本海側の北前船の日本遺産が、西廻り航路の中国地方から大阪までつながる形となる。
一方、日本遺産認定の酒田市など11市町は14日、東京の日本記者クラブで、2018年度の取り組みを紹介する活動発表の記者会見を開いた。丸山至酒田市長は今年が西廻り航路を開いた河村瑞賢の生誕400年となることを記念し、生誕地の三重県伊勢町と交流事業を展開することなどを紹介した。
発表会はJR東日本、西日本、北海道の各社や日本航空、ANA総合研究所などで組織した一般社団法人北前船交流拡大機構が呼び掛けて開催した。
新年度は各自治体の取り組みのほか、連携して▽国内外を含めた地域間交流の拡大▽日本遺産ブランドを活用した「北前船」のブラッシュアップ▽国内外から各地への観光誘客と交流人口拡大による地域活性化―などの活動を継続する。
また北前船の日本遺産認定の基盤となった「北前船寄港地フォーラム」について、18年度は5月に中国大連、7月に福井県坂井市、8月に新潟県長岡市、11月に広島県呉市で開催予定となっていることが報告された。