2018年(平成30年) 2月25日(日)付紙面より
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県立鶴岡南高校(京谷伸一校長)の数学ゼミの2年生2人が23日、鶴岡市立京田小(布川敦校長)を訪問し、中学レベルの数学の出前授業を行った。教わる側の5年生が「公式作り上げ型」の作図問題に頭をひねる中、先生役の高校生もなんとか伝えようと奮励。両者による白熱教室が繰り広げられた。
先生役を務めるのは宇佐美かのんさん(17)と五十嵐あかりさん(17)。2人は、文科省からスーパーサイエンスハイスクールに指定されている鶴岡南高の数学ゼミに所属し、「教え方による知識定着率の違い」を研究。「先生に公式や作図方法を提示されるよりも、自分たちで考えた方が定着がよい」との仮説を検証するため自ら出前授業を実施した。
この日の授業では初めに高校生から「今日は三角形にぴったりはまる円(外接円)を描いてみます」と目標設定。12人の児童がコンパスと定規、分度器などを手に三角形外接円の作図問題に取り組み、イメージしやすい正三角形でヒントを学んだ後、3人の班に分かれて話し合いながら鋭角三角形での作図に挑戦。三角形の全ての頂点と接する円が見事作図できると、達成感に満ちた笑顔になった。
金内達彦君(11)は「算数は好きだけど、図形は苦手。ひらめいた時はうれしかった。先生の教え方もすごく分かりやすかった」。
宇佐美さんと五十嵐さんはいずれも教員志望。出前授業は朝暘三小でも実施しており、その際の検証結果によると「一概に公式作り上げ型授業の方が定着するとは言えない」との結論だった。「問題の種類によって教え方も工夫しなければいけないと思う。教えることの難しさを改めて感じた」などと話していた。