2018年(平成30年) 3月3日(土)付紙面より
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発達した低気圧の影響で強い冬型の気圧配置となった2日午前、庄内地方は暴風が吹き荒れる荒天となった。いずれも3月の観測史上最大となる鶴岡市で同日午前7時59分に最大瞬間風速22メートル、庄内町狩川で同日午前2時20分に同30・7メートルを観測。酒田市の飛島や浜中でも30メートルを超す暴風となり、各地でトタン屋根が飛ばされるなどの被害が相次いだ。通学時間帯と重なり小中学校2校が休校の措置。停電のほか空港の欠航、JRの運休など交通機関も大幅に乱れた。
気象庁によると、北海道を通過した低気圧がオホーツク海に進み、2日は北日本の上空約5000メートルに氷点下33度以下の寒気が流れ込み、北日本を中心に強い冬型の気圧配置となった。山形地方気象台によると、3日は冬型の気圧配置は緩み、高気圧に覆われるため晴れる見込み。
庄内地方は1日午後から大荒れの天気となり、鶴岡市では2日午前10時までに住宅や小屋のトタンが飛ばされるなどの建物被害が20件、塀が倒れるなどの被害が8件発生。1日夜には市街地でトタン屋根が道路をふさぐ被害もあった。
酒田市危機管理課によると、1日は飛鳥と北俣で小屋などのトタン屋根が飛ばされる被害が2件、広野コミュニティセンターでカーブミラーが破損、松嶺コミュニティセンターで看板が倒壊、錦町一丁目の民家でプレハブのコンテナハウスが傾き母屋に衝突する被害があった。また、2日朝には中町一丁目で民家の屋根瓦の一部が地面に落ちたとの情報があった。
庄内空港は1、2の両日、欠航が相次いだ。2日は東京発庄内行き全日空第1便(393便)をはじめ計5便が欠航。1日は午後から計3便が欠航。県庄内空港事務所によると、両日で計1021人に影響が出た。
庄内教育事務所によると、2日は鶴岡市の湯野浜小と鶴岡一中が休校した。
JRは、羽越本線、陸羽西線ともに強風の影響で2日の始発から上下線で列車の運転を見合わせた。羽越本線では酒田―村上駅(新潟県)間で上下特急いなほ号8本が全区間運休となった。
1日夜に停電も相次ぎ、鶴岡市の長沼、湯野浜、面野山、酒田市の新堀や本楯、三川町の青山など延べ3090戸で飛来物が高圧線に接触するなどし停電した。
2018年(平成30年) 3月3日(土)付紙面より
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「たった一度の人生、自分だけの人生を切り開いて」―。庄内地方の多くの高校で1日、卒業式が行われ、大人の仲間入りも近い卒業生たちが仲間や恩師、家族への感謝を胸に学びやを巣立った。
庄内地方ではこの日、鶴岡南、鶴岡北、鶴岡中央、加茂水産、庄内農業、庄内総合、酒田東、酒田西、酒田光陵、遊佐の県立10校で卒業証書授与式。春の嵐の荒天となる中、各校で式典が行われた。
このうち鶴岡北高では午後1時から体育館で式典が行われ、在校生や保護者らが出席。2015年度に共学となって初の卒業生で、胸にコサージュを着けた卒業生158人が入場し開式。卒業証書授与ではクラスごとに担任が名前を読み上げ、土田真一校長が一人一人に笑顔で授与。式辞では「自分の価値観を持ち、少数派になるのを恐れず自由に貫いて。多様な価値観を持ち、違いを認め合う人へ。人との信頼を大切に自分の未来を切り開いてほしい」とはなむけの言葉を贈った。
来賓祝辞に続き、在校生代表の佐藤歩未さん(2年)が「先輩たちの一つの目標に向かう姿から勇気をもらった。仲間との3年間を忘れず、一歩ずつ前へ」と送辞。卒業生代表の渡邊あみいさんが「振り返ると日々の学校生活が掛け替えのない宝物。北高創立120周年の長い歴史の中で、北高生としての誇りを持ち、夢の実現に向けて旅立ちます」と涙をこらえながら答辞を読み上げた。
最後は「蛍の光」を斉唱し、卒業生を見送った。
高校の卒業式は2日に鶴岡南山添校と鶴岡工業、鶴岡東、酒田南、5日に羽黒と天真学園、10日に和順館で行われる。