2018年(平成30年) 5月10日(木)付紙面より
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公益財団法人「庄内能楽館」(酒田市、池田宏理事長)が主催した「庄内夜遊(やいう)の調べ」が8日夜、同法人が運営する同市浜松町の庄内能楽館で開かれ、葛野流大鼓(かどのりゅうおおつづみ)宗家の亀井広忠さんら中央で活躍している各流の囃子(はやし)方、宝生流シテ方が舞囃子、仕舞を披露。会場を埋めた約120人の能楽ファンを魅了した。
庄内能楽館は1976年の設立。能舞台はひのき造りでくぎを使用していない。舞台の下にはかめが入っており、踏み鳴らしたときに音が響くようになっている。桟敷席も含め約150人を収容。能の魅力を紹介する各種事業を展開する一方、一般を対象に仕舞や謡の教室を開催しているほか、夏休み期間には子どもたちと保護者を対象にした「親子仕舞教室」を実施している。
この日は、仕舞教室講師を務める能楽師、辰巳大二郎さんが「装束や面(おもて)を着けずに能の見どころを紹介するのが舞囃子や仕舞。囃子が入ると舞囃子、謡のみだと仕舞」などと解説した後、素謡「翁」で幕開け。舞囃子「高砂」「葛城(かつらぎ)」、仕舞「箙(えびら)」「花筐(はながたみ)」などを披露した。
会場では開演前、抹茶と菓子が振る舞われた。池田理事長は「これまでは教室が中心だったが、これからは今回のような公演を増やし、より多くの人から能の魅力に触れてもらいたい」と話した。