2018年(平成30年) 5月20日(日)付紙面より
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世界最大規模の酒類品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2018「SAKE(日本酒)部門」の授賞式が18日、山形市内で行われた。「純米吟醸」「大吟醸」など9つのカテゴリーで、本県産酒は17銘柄が金メダルを獲得。庄内関係では東北銘醸(酒田市)の6銘柄、麓井酒造(同)の2銘柄、竹の露(鶴岡市)の1銘柄が金メダルに輝いた。このうち本醸造部門で東北銘醸の「初孫 伝承生もと」、純米吟醸部門で麓井酒造の「フモトヰ純米吟醸山田錦」がその部門の中で最も優れた1品に贈られるトロフィーを獲得した。「初孫 伝承生もと」と「フモトヰ純米吟醸山田錦」は、7月10日に英国・ロンドンで開催される「チャンピオン・サケ授賞式」にエントリーされる。
IWC2018「SAKE部門」には国内外の456蔵元が1639銘柄を出品。13日から山形市で審査会が行われ、9カテゴリーで金、銀、銅各賞を決めた。本県からは182銘柄がエントリーし、17銘柄が金メダルを獲得。5年連続で全国一の受賞数となった。また、東北銘醸と麓井酒造、加茂川酒造(古酒部門、白鷹町)の合わせて3社がトロフィーを獲得した。
この日はバイヤーやメディア向けの試飲会の後、トロフィー授賞式が行われ、主催者のアンドリュー・リード社長と吉村美栄子知事から笑顔でトロフィーを受け取った。
荘内日報の取材に東北銘醸の後藤英之製造部長は「IWCには今回が初挑戦で、8銘柄を出品して6銘柄が金メダルを獲得できたことだけでも驚きなのに、まさかトロフィーまでもらえるとは思わなかった。受賞は自信と励みになる。受賞をきっかけに海外の注目を集められるかもしれない。今後は輸出にも力を入れていきたい」と抱負を述べた。
麓井酒造の佐藤市郎専務は「びっくりした。食中酒に合うよう、香りを抑えて造った点が良かったのかもしれない。海外には今、香港に出しているが、今後は品質管理の在り方なども勉強しながら、特に東南アジアを中心に輸出拡大を検討していきたい」と語った。
金メダルを獲得した蔵元と銘柄は次の通り。(庄内関係のみ)
▽普通酒=東北銘醸「初孫 港月 生詰」▽本醸造=東北銘醸「初孫 伝承生もと」=トロフィー受賞▽純米=東北銘醸「初孫 出羽の里 純米酒」▽純米吟醸=麓井酒造「フモトヰ純米吟醸山田錦」=トロフィー受賞、東北銘醸「初孫 いなほ 生詰」▽純米大吟醸=東北銘醸「初孫 純米大吟醸 雪女神」、竹の露「純米大吟醸 白露垂珠」▽大吟醸=麓井酒造「麓井の圓大吟醸」▽古酒=東北銘醸「初孫 純米酒 大古酒」
酒田、鶴岡でチャリティ試飲会
世界最大規模の酒類品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2018「SAKE」部門(12―20日、山形市)の開催を記念した「日本酒チャリティ試飲会」が19日、酒田市の中町にぎわい健康プラザと、鶴岡市のマリカ広場周辺で開かれ、それぞれ大勢の日本酒ファンがIWC出品酒と県産酒の飲み比べを楽しんだ。
収益金を東日本大震災の復興に寄付するもので、19日に酒田市、鶴岡市、新庄市の3会場、20日に山形市と米沢市の2会場で開催。2000円(前売り)でIWC出品酒と県産酒が5杯ずつ計10杯が試飲に提供された。
19日の酒田会場ではIWC出品酒約450種と、県産酒(酒田・飽海地区)32種が提供された。前日の18日に発表されたIWCの審査結果で、9部門のうち、酒田市内の蔵元が2部門で最高賞の「トロフィー」を受賞する快挙を達成。その受賞酒も提供され、来場者たちは“世界最高水準”の地区の酒を堪能した。
丸山至市長は「『酒の酒田』として売り出しており、2つも最高賞に選ばれ、その面目躍如という感じ。7月の審査ではぜひ酒田の酒がチャンピオンになってほしい。今年の新酒鑑評会では県内の金賞11銘柄のうち7銘柄が庄内だった。酒田、庄内の酒のレベルの高さを国内外に発信し、交流人口拡大や輸出増につながれば」と話した。