2018年(平成30年) 6月19日(火)付紙面より
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酒田市の新井田川周辺を写した古い写真の鑑定会が16日、市総合文化センターで開かれ、市民が明治期から昭和30年代ごろまでの写真について、撮影年代や場所、当時の暮らしなどを読み説いた。
この会は、市内の有志による地域おこしグループ「集まれ! 新井田川実行委員会」が初めて実施した。市が2016年度に開いた「元気みらいワークショップ」で新井田川を活用したまちづくりについて調査・発表した人たちが中心になって結成したグループで、メンバーは小野寺雅昭会長(57)=同市本川、中学社会科教師=ら4人。
古写真については、新井田川への関心を高め、さまざまな世代のつながりを深めるきっかけにしていこうと今年4、5月に市立資料館から借りた新井田川周辺の写真33点をパネルにし、市内の5カ所のコミュニティセンターに展示。今回は市民12人が参加し、これらの写真パネルについて、撮影年代や場所などを推測しながら、昔の風景や暮らしの思い出を語り合った。
このうち明治40年ごろから大正7年ごろまでに撮影されたとみられる「新井田橋河畔」の写真は、石積みのめがね橋を、米俵を積んだ川舟が通る様子を写したもの。「これは下流側から撮ったのでは」「でも、米は倉庫から積んで港に向かったはず」など白熱した議論を展開。「橋の欄干が切れているのは、こっちの写真と同じだ」と他の写真との共通点が見つかって「おーっ」と歓声が上がるシーンもあった。
小野寺会長は「こうした活動を通じ、地域の良さを見つめ直し、愛着を深めたい。地域のつながりのバックボーンになっている、かつての生活文化を掘り起こし、祭りや行事なども再生できたら」と話した。
8月25日(土)にも第2回鑑定会を開く予定。問い合わせは会員で事務局の大井康嗣さん=電090(1938)7752=へ。