2018年(平成30年) 7月6日(金)付紙面より
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2020年東京五輪・パラリンピックでニュージーランド(NZ、競技・トライアスロン)のホストタウンになっている酒田市の丸山至市長は4日、同国トライアスロンチームのクレア・ビードCEO(最高経営責任者)らとインターネット回線を使って会談し、市の同国若手選手育成への支援を継続するなど、今後も相互交流を深めていくことを申し合わせた。
市は本年度、市ホストタウン推進協議会(会長・丸山市長)を通じて資金を拠出し、同国若手選手を日本に招いて転戦してもらうため海外渡航費や国内滞在費の一部を負担するスカラシップ(奨学金)制度を創設した。同制度を使い先月21日から今月8日まで、大学生のヤヌス・スターフンバーグさん(19)と高校生のルーベン・トンプソンさん(17)の2選手が訪れ、みなと酒田トライアスロン(おしんレース、先月24日)をはじめ国内3大会を転戦している。
この日の会談は、この2選手の滞在に合わせて実施。酒田産業会館1階の市産業振興まちづくりセンター「サンロク」に、丸山市長とこの2選手が訪れ、NZトライアスロンチームのビードCEOと、昨年10月に市が事前キャンプ誘致に向けて招き関連施設を視察してもらったマーク・エリオット強化部長の2人と約30分間、話し合った。
丸山市長は「素晴らしい選手を送っていただき、感謝。五輪の後も交流したい。支援をよろしく」、ビードCEOは「これから一緒に良い結果が出るよう頑張りたい。これからもNZのトライアスロンを応援してほしい」とそれぞれあいさつ。スターフンバーグさんは「温かい歓迎がうれしい。プールやトラックなどの環境も良く、食べ物もおいしい」、トンプソンさんは「すごく良い環境でトレーニングできている。支援も手厚く、成長につながる」と酒田滞在の印象を語った。
エリオットさんは「酒田のコミュニティーやトレーニング環境がとても良く、日本文化と接することができ、ありがたい」と感謝。その一方で、今回の2選手がおしんレースの初心者部門で1、2位になったことなどを踏まえ、「酒田とトライアスロンの交流を続けるため、JTU(日本トライアスロン連合)に協力を要請し、おしんレースを国内外のトップ選手が集まる大会にしてほしい。スカラシップ制度を日本の選手も使えるようにしてほしい」と要請。若手選手育成を狙いにしたスカラシップ制度が、より実効性のあるものになる環境づくりを求めた。
酒田市とNZトライアスロンチームは先月、酒田市がスカラシップ制度を設けて若手選手育成を支援する一方、NZ側は同市で東京五輪の事前キャンプを行うことを検討することを主な内容とする基本合意を締結している。
2018年(平成30年) 7月6日(金)付紙面より
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酒田市の鳥海八幡中学校の生徒が4日、職場体験の一環で学んだ同市八幡地域の大地の成り立ちに関する知識を生かし、市役所に「石器作り体験コーナー」を設置し、来庁者らに地域の魅力を解説しながら石器作りを指導した。
職場体験は同校の2年生が3、4の2日間、八幡地域を中心にした事業所で実施。このうち毎年体験を受け入れている市八幡総合支所では従来、道路など公共インフラの現場見学が中心だったが、今回は、2016年9月に日本ジオパークに認定された「鳥海山・飛島ジオパーク」で八幡地域が中心的なエリアの一つであることから、初めて同支所地域振興課が「ジオパーク職場体験」を企画した。
参加したのは男女2人ずつの4人。3日は市職員の案内で青沢地区に行き、荒瀬川沿いの高台から縄文時代の石器類がたくさん出土していることや、長い年月をかけて川が地層を削り今の地形になったことなどを学んだ。また、縄文人が石器を作ったのと同じ「頁岩(けつがん)」を採取した。4日は市役所1階に体験コーナーを設置し、来庁者に石器作りを指導した。生徒たちは「頁岩は1000年ぐらい前にプランクトンなどが堆積したもの。この頁岩は私たちが荒瀬川沿いで拾ったものです」などと説明しながら、頁岩をやすりで削りナイフのようにする方法を指導。来庁者は完成した石器で、段ボールの上に載せた紙を切り、「すごーい」と感心していた。
仲川大輝君(13)は「職場体験で石器作りができて面白い。自分が住んでいる地域は刈屋梨など食べ物がおいしく、水がきれいで、いろんな生き物がいて好き」、齋藤寧月君(14)は「八幡にはあまり興味がなかったが、今回の職場体験で縄文時代の遺跡がたくさんあることなどを知り、興味が湧いた」と話した。