2018年(平成30年) 7月19日(木)付紙面より
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英国船籍の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000総トン、乗客定員2700人)が17日、酒田市の酒田港古湊埠頭(ふとう)に寄港した。今月1日に次いで2回目で、大勢の外国人客が中心市街地に繰り出し、中町モールでは地元高校生が自分たちで企画した日本文化体験のプログラムなどが好評を博した。
前回同様、乗客の大半は欧米を中心にした外国人。午前7時の寄港から午後4時の出港まで、約半数が船会社の企画によるバスツアーで羽黒山など周辺観光地に出掛け、残りの多くはシャトルバスで酒田市の中心市街地に繰り出した。
中町モールには市や関連団体が前回同様に「クルーズカフェ&マーケット」を開設。着物や甲冑(かっちゅう)の着付け、模造刀による居合抜きの各体験、飲食ブースなどを設けたほか、新たに酒田光陵高ビジネス流通科の1―3年生107人と酒田南高空手道部の30人がもてなし役を買って出た。
このうち光陵高の生徒は、日本文化体験コーナーを開設。外国人が自分の名前を漢字で書く書道と、抹茶をたてて飲む茶道の両体験コーナーで、ひっきりなしに客が訪れる盛況ぶり。生徒たちは茶せんを使う時に「ベリー・クイックリー(とても速く)」などと身ぶり手ぶりを交えてコミュニケーションを交わしながら、和気あいあいとした雰囲気でもてなした。また、酒南高空手道部の生徒たちは組手の基本的な稽古を披露。「ヤー」と鋭い掛け声で突きや蹴りを繰り出す様子を、たくさんの外国人客たちが興味深そうに見入った。光陵高生たちは数人ずつ各商店街や観光スポットに散らばり、道案内も行った。
ともに光陵高ビジネス流通科2年で、日本文化体験を担当した齋藤大鳳さん(16)は「英語での会話は難しいが、相手にも楽しんでもらい、自分たちも楽しく、とても良い体験になった」、前田梨夢さん(17)は「難しい単語を使わなくても、身ぶり手ぶりで何となくコミュニケーションができた。とても楽しかった」と話した。茶道の体験料150円の収益金は西日本豪雨の被災者支援に送る予定。
酒田市交流観光課では「前回も酒田のもてなしは好評だった。反省点を踏まえ、少しずつ新たな試みを取り入れた。特に高校生の企画は予想以上に好評で、こうした成功体験を積み重ね、より良いおもてなしで酒田ファンを増やしていきたい」としている。
2018年(平成30年) 7月19日(木)付紙面より
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鶴岡市消防本部(長谷川幸吉消防長)から消防救助技術の東北地区支部指導会と全国大会に県代表として出場する個人・チームの訓練展示壮行会が18日、同消防本部屋外訓練場で行われ、出場者が士気を高めた。
6月28日に山形市消防本部で行われた県指導会で好成績を収め、鶴岡消防からは昨年度に引き続き、東北地区支部指導会(今月25日、新潟市)に引揚救助と障害突破の2チーム、全国大会(8月24日、京都府)にロープブリッジ渡過の1人が出場する。
壮行会は長谷川消防長ら幹部や同僚らが見守る中、初めにロープブリッジ渡過の訓練展示が行われた。全国大会に出場する高野寛二消防士(22)=藤島分署=が、建物間に水平に張られた20メートルのロープ間を往復渡過する基礎訓練を繰り広げた。続いて五十嵐有也キャプテン率いる20代5人のチームが、地下やマンホールなどの災害を想定した引揚救助を展開。酸素ボンベを装着してロープ登はんで要救助者の元へ向かい、引き上げ脱出するまで、的確な連携と迅速な動作を披露した。
長谷川消防長が「安全性とスピードが備わったプロとしての成果を発揮して」と激励。出場者を代表して高野消防士が「体力と精神力を磨き上げてきた。共に汗を流した仲間と、応援してくれた人たちへの感謝の気持ちを胸に全力を尽くしてくる」と応えた。障害突破には阿部光キャプテン率いる20―30代の5人が出場する。