2018年(平成30年) 8月10日(金)付紙面より
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県教育委員会は8日、県内公立高校と県立中学校の入試に関する記者会見を開き、ミスに関わった教員計1037人の処分を発表した。処分は同日付。本来合格だった受験者を不合格とした高校の校長1人が減給となったほか、対象の校長や教頭(副校長を含む)、教員に戒告や文書訓告、厳重注意が行われる。また、廣瀬渉教育長が「入試全体を統括する責任を明確にするため」として、報酬月額10分の1(3カ月)を自主返納する。処分者数は県内の高校教員約1900人の半数以上に上った。
合否に影響があった高校については、当時の校長を月額10分の1(2カ月)の減給とした。また、同校教頭や県教委次長など計4人が戒告処分。合否に影響がなかったものの採点ミスがあった高校、中学校の校長、教頭合わせて98人は文書訓告、教員は実習教員を含めて934人を厳重注意とした。
このほか、既に退職しており処分ができない教員が240人いるという。
記者会見では、職員の処分は基準となる前例がないことから、同様の採点ミスがあった他県の事例を参考に、それぞれの職責を考慮して総合的に判断したことなどが県教委から説明された。廣瀬教育長は「数多くの採点ミスで受験生や保護者、中学校関係者、県民の信頼を損ねたことに、あらためて深くおわびする」と陳謝した。
入試採点ミス問題は、今年3月の高校入試で不合格になった受験生の保護者からあった答案開示請求をきっかけに発覚。その後、県教委が2014―17年度に行われた公立高校と県立中学校の入試結果を調査したところ、52校(定時制5校、分校4校を含む)中47校で計1202件の採点ミスが見つかった。