2018年(平成30年) 10月3日(水)付紙面より
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遊佐町の吹浦小学校(高橋共之校長)の6年生10人が先月27、28の両日、修学旅行で宮城県内に行き、同校敷地内に自生したクロマツの苗木を同県東松島市に贈った。東日本大震災被災地復興支援の一環として2016年から行っている。
周囲をクロマツ林に囲まれている同校では、2007年の新校舎供用開始以降、体育館西側にある砂利敷きの箇所に種子が飛散して自生。特別な栽培はしていないものの、日当たりが良く日々、成長し続けているという。大きいものでは約50センチまで成長。同校でこのクロマツの有効活用を模索していた際、11年3月の東日本大震災で壊滅的な被害を受けた東松島市でマツ林再生に向けた活動が行われていることを知り16年秋、当時の6年生が修学旅行の際に50本を持参して同市に寄贈した。
高橋校長によると、今年はより丈夫な苗木になるよう砂利よりも根が張りやすい箇所に一部を植え替えたという。先輩たちの思いを引き継いだ6年生が9月、青々と力強く伸びるクロマツの苗木を根ごと採取してポットに植え替え。教職員や保護者の指導を受けながら、しっかりと根が張るまで水やりなどをして、大切に育てた。
東松島市震災復興伝承館で初日午後に行われた寄贈式では、同市側から小山修副市長、工藤昌明教育長が出席。児童を代表して石井虎毅君、畠中理紗子さんが「マツの苗木が大きく育ち、僕たちの思いが皆さんに届けることが出来たらうれしい」と述べ、工藤教育長に苗木を託した。
引き続き児童たちは同伝承館で大震災に関する映像・写真資料を見学。災害への思いを新たにした。
寄贈式であいさつした畠中さんは「吹浦小は日本海の近くにあり、津波被害はひとごとではない。先日も大地震・大津波避難訓練を実施した。大震災で大きな被害を受けた東松島市の復興に少しでも役立ててほしい」と話した。同校では来年以降も継続する方針。