2018年(平成30年) 10月6日(土)付紙面より
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鶴岡市越中山の月山ワイン山ぶどう研究所(加藤智所長)で4日、主力の赤ワインの仕込み作業が始まった。
月山ワインは、デラウエアや甲州、セイベル9110を原料に使った白と、ヤマブドウやヤマ・ソービニオンを使った赤があり、いずれも芳醇(ほうじゅん)な香りとすっきりした味わいが特徴。
1972年に朝日村農協(現JA庄内たがわ朝日支所)が自生するヤマブドウを使ったワインの研究開発に着手。79年にロゼの製造を始め、81年には白と赤が加わり醸造体制が本格化した。現在はヤマブドウジュースや原液を含めて年間約20万本(720ミリリットル換算)を生産している。
今シーズンの仕込みは、9月2日に白が始まっており、白、赤とも例年並みのスタート時期。今後、11月中旬まで続くといい、職員はフル稼働で作業に追われている。
4日は、ヤマ・ソービニオン計6トンを次々とベルトコンベヤーに運んだ。圧搾機から搾りたての果汁が滴ると、爽やかな甘酸っぱいブドウの香りが辺り一面に漂った。同研究所長補佐で醸造責任者の阿部豊和さん(42)は「8月の少雨もありやや小粒だが、凝縮した仕上がりになりそうだ」と期待を込めた。