2018年(平成30年) 10月10日(水)付紙面より
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高齢者のささやかな所得や生きがいづくりにもつながる軽作業と、健康づくりを両立させた取り組みが、鶴岡市木野俣で進んでいる。老人クラブを中心に構成する「木野俣いきいき隊」(会長・五十嵐正直自治会長)が主催し、健康に楽しく生活するために、高齢者自らの稼ぎで継続する仕組みづくりを目指す。
いきいき隊は、地域コミュニティーの推進、地域資源を生かした高齢者の生きがいづくり、生活環境の整備といった地域課題に取り組む主体として2011年に結成。木野俣集落センターを拠点に活動する。
特徴的なのが、軽作業で1日1000円を稼ぐ「年金+1000円/1日プロジェクト」。ワラビやミョウガの出荷や、原木ナメコ、焼き畑温海かぶの栽培、同じ福栄地区にある関川集落に伝わる伝統工芸品「しな織」の加工工程の一つ「しなうみ」といった作業を、高齢者がセンター内外で有償ボランティアとして取り組む事業。佐藤兼與さん(90)は「毎日することがなくて、村の中を2周するのが日課だった。これまでナメコの菌打ちや、ドングリの皮むきをやってきた。お金よりも頼りにされることがありがたい」と、高齢者にやりがいをもたらしている。
8日からは「KKP46」(木野俣健康づくりプロジェクト46世帯)と銘打った月1回の定期的な健康教室もスタート。医療特化の連携コワーキングスペース「みどり町文庫」(同市みどり町)を運営する瀬尾医療連携事務所(瀬尾利加子代表)の協力を得て指圧や軽体操、健康食品の開発など健康づくりに関わる内容を扱い、健康の指標として血圧を毎回計測して事業の検証にも役立てる。市の助成金と「年金+1000円―」の収益で、講師の派遣料などを賄う。
1回目の8日は、60代から90代までの35人が参加。管理栄養士監修の芋煮会と、理学療法士の指導でストレッチや筋力向上を図る健康体操を行った。健康体操では「大汗かいた」と食後の運動を楽しんでいた。
五十嵐会長は「ここに住んで良かったと言ってもらえる場所にしたい」と話した。