2018年(平成30年) 10月14日(日)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市)の学生有志が企画したワークショップ「SCOP遊佐」が13日、遊佐町内で開幕。14日(日)までの2日間、本県はもとより首都圏の大学から参加した学生計25人が海岸での漂着ごみ収集活動や座学研修などを通し、海岸漂着物対策について理解を深める。
SCOPは、「Student Carry Out Project」の頭文字を取ったもので、学生自ら地域課題に気付き、学び、掘り下げていき解決策を模索していくプログラム。
今回のワークショップは、呉尚浩公益大教授(公益学、環境社会学など)のゼミを履修している柴田雪乃さん(20)はじめ3年生3人が中心となり、本年度の「やまがた社会貢献基金」の日産プリンス山形販売(山形市、小関眞一社長)による「子どもから大人まで環境にやさしい社会づくり支援事業」の助成を受け、県と遊佐町、NPO法人・パートナーシップオフィス(西村修理事長)、美しいやまがたの海プラットフォーム(小谷卓議長)の協力で初めて実施した。
柴田さんらは、酒田市飛島で今年9月1、2の両日に実施したクリーンアップ活動「いぐべ、飛島」に参加した全国各地の学生に対して声掛け。その結果、公益大から14人、本県の山形大、東北芸術工科大、首都圏の神奈川大、東京家政大、高崎経済大、フェリス女学院大、東洋大から11人の計25人が参加した。
初日は最初、海底湧水が湧き出る同町吹浦の釜磯海岸でクリーンアップ活動。相次いだ台風の通過で、砂浜には漁網やビニールハウス用品といった漁業・農業系のごみ、河川上流部から流れ着いたとみられる生活用品、対岸からのプラスチック片、ペットボトルの空き容器などが散乱。秋の柔らかな日を浴びながら学生たちは約2時間にわたって拾い集めていた。
午後からは公益大セミナーハウス(同町吹浦)に場所を移し、海洋ごみに関する座学と課題整理。夜はバーベキューで参加学生たちが交流。2日目は初日の課題を受け、解決策を模索した上で、対策をまとめる予定。柴田さんは「学生の活動は在学中の4年間で終わるのがほとんど。どう継続していくかを考えたとき、団体を組織するのが一番と思っており、今回のワークショップ開催をその第一歩にしたい」と話した。