2018年(平成30年) 10月17日(水)付紙面より
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鶴岡市立豊浦小学校(平賀振一郎校長、児童117人)の全校児童が16日、校舎の裏山にある津波避難道の整備作業を行った。避難道に木質チップをまいて歩きやすくするとともに、災害発生時の避難経路を意識付けした。
昨年3月に市が作成したハザードマップでは三瀬地区の最大津波高は約13・2メートルで、地震発生から最短約8分で第1波が到達するとされている。地区の1次避難場所は、豊浦小3階(海抜25・9メートル)と、とようらデイサービスセンター駐車場(同16・7メートル)に設定されているが、校舎に被害があった場合や地区が孤立した際の避難道として、三瀬地区自治会(加藤勝会長)では2016年度に、鶴岡市の補助金を活用して林道三瀬矢引線へ接続する避難道約200メートルの整備に着手。以後毎年、児童が地元産杉の間伐材を使った木質チップをまく整備・維持活動を続けている。
同自治会主催のこの日の整備作業は、児童や地元自治会など関係者合わせて約150人が参加。木質バイオマスエネルギーの自給自足活動に取り組む同地区が本年度、環境省の「持続可能な開発目標(SDGs)を活用した地域の環境課題と社会課題を同時解決するための民間活動支援事業」に東北で唯一採択されたことを受け、同省関係者も視察に訪れた。
加藤会長の「自分の命は自分で守ることを心に刻み、取り組んで」のあいさつを受けて、児童たちは用意した約2・5トン分をバケツや袋で運ぶと、次々とまいて避難道を補強した。
1年生の梅津更菜ちゃん(7)は「チップは重くて大変だった。避難の時はちゃんと思い出して避難します」と話していた。