2018年(平成30年) 10月17日(水)付紙面より
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酒田市升田地区に伝わる在来野菜「升田かぶ」を使った料理教室が14日、市八幡タウンセンターで開かれ、市内の女性らが県「食の都庄内」親善大使の太田政宏さんから升田かぶのポタージュやソテーなど、オリジナルの創作フレンチを習った。
升田かぶは長さ15センチほどで、ミニチュアの大根のような形。生では清涼感ある香りと強い辛味、火を通すととろんとした甘味が特徴で、そばの薬味や煮物、焼き物にも合うという。
料理教室は、同地区の農家・村上正敏さん(68)を代表とする「八幡の在来野菜を守り育てる会」が升田かぶの知名度向上と消費拡大を狙いに初めて企画。同市と庄内町の男女16人が、太田さんから「升田かぶのポタージュ」「牛フィレ肉のステーキ升田かぶのソテー」「升田かぶと鳥海高原ヨーグルトのムース」の3品を習った。
太田さんは3品を一通り作ってこつを解説しながら「升田かぶは普通のカブより味が濃く、香りもいい。在来作物は味が良いから残っている。ここで習うだけでなく、ぜひ家庭でも作り、定番料理にしていって」と呼び掛けた。
村上さんによると、升田かぶの生産者は10人ほどで、大半は自家消費用。外部には、村上さんら2―3人が主に漬物用に市内のスーパーと漬物店、生では時々、産直たわわ(同市法連寺)に出す程度という。
村上さんは「一度食べれば、おいしさが分かってもらえるが、生産量がなかなか増えず、知名度もいまひとつ。玉簾の滝や鳥海山の眺め、ジオパークを絡めた観光などを通じ、地元の食の魅力を広めたい」と話した。
升田かぶを使った料理教室の第2弾が来月11日(日)午前9時半から八幡タウンセンターで開かれる。講師は同市の西洋割烹花月の阿部美喜夫オーナーシェフで、魚介類の料理を中心に指導の予定。参加費は1000円。来月1日午前8時半から、市八幡総合支所建設産業課=電0234(64)3115=で先着15人を受け付ける。