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2018年(平成30年) 10月18日(木)付紙面より

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漁業担い手確保・育成へ

 県内の水産業担い手の確保と育成に向けた「県水産業担い手育成プロジェクト会議」(リーダー・高橋雅史県農林水産部次長)が16日、酒田市の県庄内総合支庁水産振興課で設立会議を開き、発足した。漁業者や加工、流通、販売、教育、行政の関係者らが一堂に会し、求める人材像の分析や、確保・育成のための具体的な対策を検討していく。

 本県の水産業担い手の確保・育成に関してはこれまで、2007年度に県が沿岸市町(鶴岡市、酒田市、遊佐町)や漁業者、教育機関と共に立ち上げた「県漁業就業者確保育成協議会」が中心となり、魚の消費拡大や漁船など初期投資への支援、研修などに取り組んできた。13年度には県が独自の制度を創設し、支援を拡充している。

 しかし、県の統計によると、新規漁業就業者は13年度18人、14年度7人、15年度17人、16年度7人、17年度6人と低迷、漁業経営体も1994年度の607(海面漁業従事者950人)から2013年度の359(同474人)へと、減少の一途となっている。

 今回のプロジェクト会議は、こうした状況を受け、漁業者だけでなく、新たに流通、加工、販売の関係者らを交えて幅広い意見を聞き、水産業全体を盛り上げていく狙い。県の呼び掛けの下、従来の協議会を新組織に発展・移行させる形だ。

 構成メンバーは、県漁業士会、県漁業協同組合、卸・加工・販売の各業者、有識者、加茂水産高、加茂水族館、県水産振興会、県、沿岸市町の計21機関の25人。事務局は、県農林水産部(本庁)水産振興課に置く。

 主な事業として、担い手の確保・育成に向けた情報収集と、継続的で総合的な対策の検討を行う。当面は構成機関から意見を聞き、必要に応じてワーキングチームを立ち上げ、課題の掘り下げや対策を検討。県事業などに反映させていく。

 この日は事務局を含め約30人が出席。プロジェクト会議の設立と設置要綱を承認した後、求める人材像について意見を交わした。

 漁業者は「地域に根差した独自なものを生み出すため、プロ意識を持った人が欲しい」、漁協は「庄内は北と南で漁法も違うし、捕れる魚も少量多品種なので、引き出しの多い漁業者が必要」などの意見を述べた。

 卸売業者や加工業者は「人手不足で、募集しても人が来ない。来てくれた人を育てる発想が重要」「本県の魚の評価は低い。ブランド化の推進を」、販売業者からは「もうかる仕組みをつくらないと、漁業従事者は増えないのでは」といった意見が出た。

 フードアナリストからは「県ベストアグリ賞の漁業版をつくりトップランナーを顕彰することで、憧れる人も出てくる。消費者を育てる取り組みも重要」、加茂水産高からは「教師を含め現場を知らない人が多い。インターンや見学などで現場を知る機会を増やすことが重要」という声が出た。

 事務局長の桂和彦水産振興課長は「トップランナーづくり(の顕彰制度)は、来年度の予算編成で考えたい。高校生に現場を知ってもらうため、企業関係者らが講義したり、インターンを増やしたりできないか、県教委と話したい」とした。

 今後、ワーキンググループを立ち上げ、具体的な対策を検討していく。テーマ候補には今のところ、「消費者を育てる」が挙がっている。全体会は年1回で、次回は来夏を予定。

漁業担い手の確保・育成に向け、関連分野の人たちが一堂に会した設立会議
漁業担い手の確保・育成に向け、関連分野の人たちが一堂に会した設立会議



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