2018年(平成30年) 11月2日(金)付紙面より
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鶴岡市教育委員会は31日、地方の文化向上に尽くした個人、団体に贈る高山樗牛賞を発表した。本年度の樗牛賞は該当者がなかった。小中高校生を対象とした奨励賞は、小中学生の部が余目三小6年の金子衣咲(いさき)さん(12)と、京田小6年の佐藤仁子(にこ)さん(11)、高校生の部は酒田東高3年の阿部宏雅さん(18)が選ばれた。授賞式は11月28日に同市のグランドエル・サンで行われる。
樗牛賞は、歴史小説「滝口入道」などで知られる庄内が生んだ明治の文豪・高山樗牛(1871―1902年)の偉業を顕彰し、地方文化の向上を目的に出身地の同市教委が1958年に制定した。今回が61回目。樗牛賞の該当者なしは4年ぶり8度目。
金子さんは、夢や未来、宇宙をテーマに読者に希望と勇気を与えてくれる小説や、愛情や意志、感謝の気持ちが伝わる詩を創作。自身の体の障害から目を背けることなく、しっかりと見つめて努力する姿や周囲への感謝の気持ちが表れた作品はすがすがしく、好感が持てると評価された。
佐藤さんは8歳まで米国で暮らした経験があり、大きく広がる世界観を生かして国際色豊かな小説「小さな魔女ミリー」を書き上げた。魅力的な登場人物が物語を盛り上げ、自然描写の斬新さ、豊かな語彙(ごい)力や想像の世界を深める表現力が評価された。
阿部さんは、失明を宣告された女子高校生ら二人の心の変遷を丁寧に描いた小説「太陽の轍(わだち)」を書き上げた。作品は自然描写が繊細で美しく、揺れ動く二人の心象風景の描写と重なって互いを際立たせている。随所に取り入れた倒置法の文型が全体を引き締めており、人間の生き方を深く考えさせる作品と評価された。
2018年(平成30年) 11月2日(金)付紙面より
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「2019年用お年玉付き年賀はがき」が1日、全国一斉に発売された。来年5月の新天皇即位に伴って元号が改まるため、平成最後の年賀はがきになる。鶴岡市山王町の鶴岡郵便局(佐藤到局長)ではセレモニーが行われ、松原保育園(高橋奈津園長)の園児が歌と踊りを披露した。
18年用年賀はがきの最終発行枚数は約25億8600万枚で、19年用の初回発行枚数は約24億2100万枚を予定。無地(定価62―72円)や絵入り寄付金付き(同67円)などを販売するほか、先月から東京五輪マスコットが描かれたはがきを大会への寄付金付き67円で既に販売している。
この日鶴岡郵便局で行われたセレモニーで佐藤局長は「平成最後の年賀状。活字文化と日本の伝統を守るためPRしたい」とあいさつ。松原保育園の年長児24人が歌と踊りを披露した。
郵便局を訪れた市民らは子どもたちの発表を楽しんだ後、早速年賀はがきを購入。園児たちも特設の窓口ではがきを購入した。年賀はがきの引き受けは12月15日から。