2018年(平成30年) 11月3日(土)付紙面より
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特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保護を目指す「ラムサール条約」の登録湿地関係市町村などで組織する市町村会議の学習・交流会が1、2の両日、今年登録10周年を迎えた「大山上池・下池」のある鶴岡市で初開催。全国の自治体や学識者などが参加し、講演会やワークショップで湿地のワイズユース(賢明な利用)を探った。
同会議は、ラムサール条約に登録されている湿地などの適正管理に関し、関係市町村間の情報共有や協力を推進し湿地保全活動を推進しようと、1989年6月に北海道釧路市で初開催。その後、関係組織団体の情報交換の場として、学習・交流会を2010年から年1、2回、全国各地で開催している。
今回は全国23市町村などから関係者約50人が参加。初日の1日に大山上池・上池を訪問し、ハクチョウのねぐら入りを視察。市自然学習交流館ほとりあも見学し、下池周辺の都沢地区湿地帯の貴重な自然の保全と教育材料活用の取り組みについて説明を受けた。
2日目は荘銀タクト鶴岡を会場に、京都大大学院経済研究科の岡田知弘教授による「自然環境を活(い)かした地域づくり」と題した基調講演、ラムサール条約登録湿地・渡良瀬遊水地の市町村連携の取り組みについて栃木市の担当者から報告があった。
国交省と関係市町で作成した「渡良瀬遊水地ラムサールカード」の事例報告を受けたグループワークでは、大山上池・下池版湿地カードの原案を作成。「水鳥」「学芸員の配置」「浮草組合」など魅力を羅列し合い共有するなどした。